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【Leica】レンズ沼との向き合い方 SUMMILUX M 35mm F1.4 2nd編

【Leica】レンズ沼との向き合い方 SUMMILUX M 35mm F1.4 2nd編

少し前から当ブログのタグに「#煩悩の行方」というキーワードが増えている事にお気付きでしょうか。

“煩悩”と言うと、カメラ販売店スタッフの著者としては”物欲”が真っ先に思い当たります。物欲の中でも「レンズ沼」と呼ばれるものは、私たちを永遠に苦しめる煩悩の一種です。著者の場合、所有する機材をレンズ一体型のカメラにする事で煩悩(レンズ沼)に飲み込まれるのを防いでおります。

今回は、そんな著者が煩悩に苛まれてしまったお話です。

撮影に使用した機材は「Leica M10モノクローム」「Leica SUMMILUX M 35mm F1.4 2nd」。

後から思えばこのレンズを選んでしまった時点で、沼に片脚を踏み入れた状況になっていたのかもしれません……。

この日の天候はあいにくの雨。風も強く、地面は銀杏の葉で覆われておりました。左手に傘を持ちながらの撮影だったため、ピントは目測。右手だけでカメラを構えて撮影致しました。

「SUMMILUX M 35mm F1.4 2ndを使うならまずは開放で撮ってみてください」

同僚からの言葉を思い出し、絞りは開放からF2程度で撮影。M10モノクロームの階調表現もさることながら、SUMMILUX 35mm F1.4 2ndの特徴的なボケ、ピント面のシャープさがありつつもベールを纏ったような独特の雰囲気に魅了されていきました。

日没後の雨天という条件での撮影でしたが、十分に楽しむことが出来ました。

開放絞値F1.4のレンズながら重量は約180gと軽量で、ボディと合わせても800~900g程度に収まる重量。専用フードを装着した際の姿は上品な佇まいで、所有感も満たしてくれます。

「あぁ、欲しい……。」

そして一度掻き立てられた煩悩を制す事が出来ず、著者はこう思ってしまうのです。

「日中にカラー写真でも撮影してみてたい……。」

そしてカメラをM10モノクロームからM10に持ち替えて再出発致しました。

まずは絞り開放付近で撮影。シャッターを切り画面を確認すると、想像を超える画像が映し出されておりました。モノクロームでも感じられた滲みはカラーになる事でより目立つものになりました。コントラストは弱いものの、ピント面は芯が残っており、決して眠い描写にはなり得ない画作り。「ベールがかかったような描写」と表現される所以を実感しました。

アングルを変えてゴーストを入れ込みました。本レンズの特徴も相まって、より絵画的な写真になりました。

こちらはF4~5.6程度まで絞って撮影。同じレンズである事を疑ってしまいます。

隠れていた本来の姿が現れる事を「ベールを脱ぐ」と言いますが、このレンズにおいてはベールを纏った状態も本来の姿と言えるでしょう。

煩悩をなくす・消す・捨てることは、仏教において不可能であると考えられているようです。しかし、自分の心を制し、コントロールすれば煩悩に飲み込まれることはなくなるとされています。それ故に仏教においては、苦しみや欲に対して適切な対処をする事が重要視されており、欲は無理に抑えつけようとせず、執着や強い感情を制御するという考えが大切とされています。

煩悩をなくそうとするのではなく前向きに捉え、煩悩を抱えたままで幸せになる事を「煩悩即菩提(ぼんのうそくぼだい)」と呼び、仏教家の親鸞の解釈では「よく教えを信じて、一念で喜びの心を起こすことができるならば、煩悩をなくさないままに、煩悩の支配を受けない涅槃という境地に至ることができる」とされています。

私たちの立場に言い換えると、著者のようにレンズ一体型のカメラを所有してレンズ沼を避ける事は煩悩に打ち勝つとは言えず、所有機材や懐事情を正しく制御しながらレンズ沼に浸かり続けることが、本当の意味で「煩悩に打ち勝つ」ということになるのでしょうか。浸かり続けた先、いつか涅槃(レンズ沼の境地?)に辿り着けるのかもしれません。

そう都合よく解釈をして、また防湿庫内のレンズを増やしてゆくのであった。

 

[ Category:etc. Leica | 掲載日時:21年12月23日 18時00分 ]

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