「もう九月になったのか」このブログはそういう書き出しでもって下書きに置いてあった筈でした。
しかし、既に金木犀の花は秋入梅に落ち、九月という月も暮れが目前というのが実状。
順調に下がる最低気温を尻目に乱高下する気圧に身体が付いていきません。
そんな日々を過ごす心身を整え、また世に放ってくれるのがモノクローム。
私にとって写真は呼吸。
なかでも白黒写真は深呼吸みたいなもの。
それは、青い木々の匂いを体に取り入れるため。
それは、のぼせる間際まで浸かった体を落ち着かせるため。
それは、24の季節を必ず捉えるため。
それは、眼前を埋め尽くした湖を自分のものとするため。
ぼやけた視界に、戻るコントラスト。
Q2モノクロームはLeicaが展開するコンパクトデジタルカメラシリーズ「Q」の次世代機にあたるQ2をベースとしたモノクロ撮影専用機。
メインシリーズとして歴史を紡ぐM型とは異なり、28mmF1.7の固定レンズ、AF、手振れ補正、など、撮影に便利な機能が満載です。
街撮りスナップはもちろん、アウトドアや日常の切り取りとしても万能に対応可能なカメラで、特にモノクロ写真好きには堪らない1台。
というのが、このカメラを紹介するうえで最低限必要な情報です。
カメラにとって大事なのは文字で書かれたスペック…以上に、完成する写真。
発表当初に掲載された作例を見て驚かれた方も多いかもしれません、もちろん私もそのうち一人。
忙しない私たちの日々にもう一つのタイムラインを構築する、 Q2 monochrome の実力、ご覧ください。
今回掲載した写真は全て「コントラスト:高」「シャープネス:低」で撮影したJPEG撮って出し。
光の当たる部分と濃い影との対比ををはっきりと写しながらも、硬くなりすぎない輪郭が非常に気に入っています。
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大きく息を吸って深呼吸。
吸って、吐くだけ。
光と、影だけ。
カラフルな秋に必携の1台。