【Leica】Leicaのある日常 #17
購入するなら1本目は50mm。焦点距離だけは決めたものの決め手を欠いたまま師走がやってきてしまいました。今回選んだのは「Leica ズミクロン M50mm F2 固定鏡筒 後期」。王道中の王道ですが本連載では紹介したことがありませんでした。ボディは「Leica M11」。「Leica M10 モノクローム」の生産が終了したこともあり全編モノクロ撮影、代わりが務まるのかなんて試すまでもないことですが念のため。作例はいつも通りJPEG撮って出しです。
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曇天のなか歩きながらおもむろに1枚。反射的に撮っただけですがズミクロンらしい力強い描写と、ややざわつきが見られるもののスムーズなボケ味に期待値が上がります。絞り開放からこの描写です。
F4でこの通り。総画素数6,030万画素のセンサーとの組み合わせは、約60年前のレンズであることを忘れさせる見事なものです。それにしてもかなりの急斜面。きっと足への負担も大きいだろうといらぬ心配をしながら眺めていました。
池を覗いていると錦鯉が。小雨が降っていたこともあり波紋が良いアクセントに。コントラストの高い現代のレンズもいいですが、オールドレンズの持つ階調の豊かさは特にモノクロ撮影において大きな武器になります。
動きものだって当たりをつければ撮影可能。「M11」の最速秒間4.5コマの連写性能はこのようなシーンで打率を上げることができます。ただ、高画素ゆえに並のSDカードでは記録に時間がかかることも。ファイルサイズを調節するなど工夫をしてみてもいいかもしれません。
お相撲さんが組み合っていたので失礼します。ピント面の解像力は非常に高く、形にバラつきのある玉ボケも好印象。
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レンズの個性が伝わるよう様々な写し方を試みました。ズミクロンらしい力強い描写のなかに年代を感じさせる若干の甘さが同居する「Leica ズミクロン M50mm F2 固定鏡筒 後期」、当然良いことはわかっていましたが想像以上に頼りになる1本です。街も人々も冬の装い、自分へのクリスマスプレゼントに…なんて考えてみたりみなかったり。どうなることやら、また次回お会いしましょう。
ローレットの形や距離目盛の表記が異なる固定鏡筒・前期もレンズ構成は同様です。沈胴モデルはデジタルカメラ装着時に決して沈胴させぬようご注意ください。