『Leica Q2 モノクローム』
このカメラが発売されると聞いたときは驚きました。むしろ驚かない人はいたのでしょうか。
好評を博したフルサイズコンパクトカメラ『Leica Q2』をベースにしたモノクローム撮影専用カメラ。
とはいえ、ひとしきり驚いた後にむしろこんな事が出来るのはライカしかない、
と納得してワクワクしてしまう。までが一連の流れとも言えます。
モノクロだけで世界を視るなんてとても贅沢な時間の使い方だとは思いませんか。
一つ肩の力を抜いて撮影してきました。
今回の写真は全てjpeg撮って出しです。ライカが描く光と陰をどうぞご覧ください。
カメラやレンズを手に持った時「これを撮りたい。こう撮りたい」というイメージが最初に湧くのですが
このカメラではスナップが撮りたいと思い街に出かけました。
光と陰が作り上げた空間に入りこむ人や物。二度と同じ瞬間はない画を撮るという事の大変さと面白さ。
と同時に常にアンテナを張り続けながら撮るスナップフォトグラファーの偉大さも思い知りました。
世界は光と瞬間で溢れている、と言いますが本当に瞬き一つで世界は変わり続けます。
私たちが住む街には時折スポットライトのように光が射し込む瞬間があり、
色で溢れた世界では気づく事ができなかった一面がモノクロの世界では浮かび上がってきます。
色がなくなったはずなのに視点が増えるというのはなんとも不思議で面白い話です。
順光と逆光。
光がどんな風に降り注いで、私たちがその光を受け止めるのか。
このカメラに真摯に向き合った結果、確かに得るものがあったように思います。
写真は白黒で撮ると良い。その言葉の意味を肌で感じる事ができる経験になりました。
陰を照らす光。
陰に浮かぶ光。
溢れるひかり。
色がなくても、いや色がないからこそ光の美しさを再認識します。
28mmという画角は正直なところ、あまり自分からは手に取らない画角で戸惑いもありました。
実はこのカットは画角に馴染もうと思いフラフラと街を練り歩いた初日。
ふと構えて撮ったこの1枚で、「あ。撮れるかもしれない」と思いました。
ものすごく当たり前のことなんですが、28mmは「近くが遠く」そして「遠すぎない」のです。
スナップカメラの画角として選ばれる理由が少し分かった気がしました。
「ふ」とした瞬間、「あ」とか「お」とか一呼吸の間、立ち止まることもなくシャッターを切ることもあります。
そんな、まるで自分に同化したような感覚で撮れるというのが、なんというか、気持ちが良いんです。たまにニヤッとします。
気軽にお誘いするにはほんのちょっと敷居が高いカメラですが
実は人生において身に付けるカメラはこれで良い、使っているうちにそんな風に思えるカメラでした。
マップカメラのフォトプレビューサイト
「Kasyapa for LEICA」に本機の実写レビューがございますのでこちらもぜひご覧ください。