【Leica】M11でレンズを愉しむ私の散歩道
前回「Leica M11」の高画質に魅了されてしまった筆者は、まだ試していなかったもう1本の所有レンズ「Summicron M50mm F2.0 レンズフード組込 (6bit) 」との相性を計るべく再度撮影に出掛けました。
普段より1時間ほど遅く目覚めた休日の朝。少し遅めの朝食と早めの昼食を兼ね、神田にあるお気に入りのカレー屋さんへ。
インド風カレーと欧風カレーの両方が楽しめるお店なのですが、入口の西洋人っぽいコックさん人形を見てしまうと、自然と欧風を注文してしまいます。
お腹が満たされた後は、食後の運動を兼ね周辺を散策です。
まずは湯島聖堂へ。江戸時代に建てられた学問所は寺社とは異なるため、駅近の好立地にも関わらず、空いていてゆっくり写真を撮るには最適な場所です。
黒で統一された建物は、人気のない静けさも相まって厳かに感じます。
庇の影が黒塗りの壁に重なっても外壁の模様がしっかり見てとれます。高画素化により階調表現の幅も広がったように感じます。
湯島聖堂の壁沿いに続く昌平坂。お茶の水、湯島界隈は坂道が多く、さほど距離を歩かなくても良い運動になります。
近くのお店のショーウインドウには甲冑を飾るお店もあり、歴史ある建物を見ながら廻るとタイムスリップした気分になれます。
反射が強めのガラスでしたが、細かな装飾までよく捉えました。
湯島天神までやってきました。
学業の神様だけあって、受験シーズンのこの時期は絵馬の量がものすごい事になっていました。
境内には菅原道真公が好んだと言われている梅の木が多く植えられています。例年であれば見頃を迎えている時期なのですが、今年は少し遅れているようで授与所脇に飾られていた盆栽だけが目を楽しませてくれました。
高台にある湯島天神は3方向を坂で囲まれており、最寄り駅方面に進むには急な階段の「男坂」か、緩くて長い「女坂」、その中間の「夫婦坂」のいずれかを降りる必要があります。
普段なら近道でもある男坂を選ぶのですが、高価な機材を持ち歩いていたので今回は安全なルートを選ぶことに。背中にあたる日差しが気持ち良かったので振り返って撮ってみると、大きなゴーストが発生しました。
古い設計のレンズなだけに致し方ないことですが驚いたのがそのゴースト部分。青から赤まで綺麗な虹色になっているのです。センサーが高画素化するとゴーストまで細かく描写するとは想像以上です。
不忍の池沿いを進み上野東照宮へ。手水舎はコロナ対策から美しい花手水に変わっていました。
絞り開放で少し寄り気味に撮影すると、中央から奥にかけて柔らかくボケた写真に仕上がりました。美しいボケとなるとF1.4のズミルックスのイメージが強いですが、ズミクロンでも十分綺麗なボケが楽しめます。
みかんの木に降り注ぐ強い日差しをカメラはより明るく捉えました。
M10-Pまでの使用感ではアンダー気味に捉えることが多かったため、この仕上がりには驚きました。
金箔が見事な唐門。明暗差を上手く捉えてくれたことで、より輝きが増して見えます。
近くの「ぼたん園」では丁度見頃を迎えていました。
薄い花びらの質感と絶妙なグラデーションを綺麗に切り取ってくれます。
今回使用した「Summicron M50mm F2.0 レンズフード組込(6bit)」は現行レンズ(4世代目)であるものの、球面レンズだけで設計されているなど少し古い印象が拭えないレンズです。
それだけに6030万画素のM11での使用に多少の不安もありましたが、その不安は一瞬にして消え去りました。
初代から評判が高かったズミクロンM50mmは、画素数に影響されないほどに完成されていたということなのでしょう。
アポズミクロンへの憧れもありますが、まだ大事に使いたいと思います。