2023年最後の日となる大晦日。
ズミルックスM50mmといえば、定番の1st。通称貴婦人で撮り納めをしてまいりました。
筆者が大昔にLeica M9を使用していた頃に持っていたこのレンズ、新入荷しては短い間に姿を消してしまい
再び手にする日は遠いだろうと思っていましたが、今回ご縁がありましたのでLeica M11での写りを
今一度楽しみたくここにご紹介させて頂きます。
作例は全てJPEG撮って出しで掲載しています。
桜木町の駅を出て目的地に着くまで歩きながらシャッターを切ったカット。
闇夜にそびえたつ建物と柔らかな光で待ち人を照らす対照的なシーン。絞り開放で人物にピントを合わせています。
拡大してみるとピントの芯が出ていながらもフワっと光のオーラを少しまとったようなミルキーかつ幻想的な描写に痺れます。
ライトに目立つ色収差も無く良い雰囲気で照らしてくれます。
真っ暗な海に浮かぶ船をなめらかな質感描写でおさえた1枚。
乗り組み口をはじめ細かい線が多いシーンですがズミルックス1stは線が細く1本1本しっかりと
描ききる様は暗いシーンで絞り開放を多用しても絵になる安心さを感じました。
玉ボケの描写が見たく撮影した1枚。
球面レンズのみで構成されたレンズのボケの美しさを感じます。
ボケの輪郭がくっきり出すぎることもなく収差による緑や紫のフチも目立ちません。
非球面レンズを多用することによる年輪ボケも無いのでこのようなイメージカットも筆者は気に入っています。
夜景や紅葉のライトアップをウォームに撮るならホワイトバランスを晴天にすると温かみが出ます。
とろりとした質感の水に反射する光と奥の建物がとても綺麗でいつまでも見ていたくなります。
Leica M11のフルサイズセンサーと開放F値1.4のズミルックスの組み合わせで
ピントリングを回してシャッターを切るだけでこんな素敵なシーンも手軽に切り取れてしまいます。
貴婦人で2人の貴婦人を構図に入れた1シーン。
メリーゴーランド自体がとても美しい造形で写真映えする被写体ですが、人物を入れるとそこにストーリーが生まれます。
絞り開放での撮影ですが、無数にある点光源がクセの強すぎる描写をすることもなくメインの被写体の引き立てています。
カメラを構えた瞬間、ピント合わせをする間もなくとにかくシャッターを切った1枚。
わずかにピントがきていた椅子と地面の質感が見事で人物のシルエットを引き立てます。
後ボケや点光源も美しくドラマチックな1シーンになりました。
ズミルックス1stはピントがジャストできていなくても絵になってしまう不思議な魅力を秘めています。
水に映りこんだ街の明かりと船の尾を引くさざ波の質感が印象的な1枚。
夜景は三脚を立ててF11からF16ぐらに絞り込み、点光源に光芒を出してシャープにくっきり写すのが
王道の撮影方法ですが、明るいレンズのメリットを活かして絞り開放で撮っても成立するのがオールドレンズの魅力だと思います。
Leica M11は距離計でじっくりピント合わせをする楽しみとライブビューでコンパクトカメラのように手軽に撮ることもできる
ハイブリッドなカメラだと改めて実感しました。
シャッター速度、ISO感度をAUTOに設定して時々露出補正とホワイトバランスを変える。風景や建物ならレンズのピントリングを無限遠に振り切る。
M型ライカのボディの薄さや軽快なシャッターは自然と撮影枚数が増え、どこまでも筆者の足を運んでゆく。
“シンプルイズベスト”。年の瀬の街の賑わいを見ながら筆者は次の目的地へと向かうのでした。
<マップカメラなら中古商品でも最大1年保証付き!>