leicaで初めてのデジタルMボディである「M8」に搭載されたCCDセンサー。
センサーサイズはAPS-Hと、フルサイズより少し小さめ。
赤外線の影響を受けて色が被ってしまいやすいという特徴もありますが、私はすっかりこのセンサーが描く色に魅了されてしまいました。
今となっては修理もなかなか難しく、コンディションの良いものを手に入れようとすると至難の技ですが、チャンスがあればぜひ試してみてください。
今回は「M8」のマイナーチェンジモデルである「M8.2」を持って、西東京の奥の奥へと撮影に出かけた時の記録を写真と共にお届けします。
Leica M8.2 + Leica Elmar 3.5cm F3.5
Leica M8.2 + Leica Elmar 3.5cm F3.5
人の通りを避けて、芽吹き始めた新緑に沿っての撮り歩き。
M8.2に搭載されているCCDセンサーは少し変わった色で画作りをするものですから、現実とは違う雰囲気で写真に収めることができます。
もう春と言うには暖かすぎるような季節でしたが、なんだか都心よりは少し涼しいような。
新宿では感じにくい急な坂道でも、足取りは軽く。
Leica M8.2 + Leica Elmar 3.5cm F3.5
さて、「自然の中のお散歩」は早々に切り上げ、今回は噂に聞いていた場所へ。
撮影スポット探しは苦手、その上運任せに歩こうものなら収穫無く帰る羽目になることが多いので、今回は信頼できる情報がある分期待が持てます。
Leica M8.2 + Leica Elmar 3.5cm F3.5
さっきまで見上げていた山の小脇に歩みを進め、感じる不思議な空間。
今日持ってきたのはこのカメラで正解だった!と、少し舞い上がってしまいました。
何枚かの写真でお届けします。
Leica M8.2 + Leica Elmar 3.5cm F3.5
私が思うに、M8、M8.2のCCDセンサーで撮るためにあると感じてしまうほどの鈍い色合いをした、肌感のある光景が広がっていました。
暗かったため、ISO感度を上げて少し荒れ気味の画質ですが、このテクスチャーと風合いを出すことができるカメラは他にはありません…おそらく。
そう断言したくなるほど、私の中のCCDに相応しい被写体だった、ということです。
もう発売から十数年経つカメラであるため、画像の読み込みスピードはちょっとのんびり。
「何枚も撮りたい」と、はやる気持ちがすぐ後ろまで迫っています。
Leica M8.2 + Leica Elmar 3.5cm F3.5
質感の表現は、何も緻密に写すことだけが正解ではないのかもしれません。
目で捉えた対象をカメラを通じて改めて確認した時、色や描写力の再現性が伴っていなかったとしても
「ああこれが撮りたかったんだ」
そう感じることができるカメラ、その表現こそが私にとって一番心地の良い表現です。
Leica M8.2 + Leica Elmar 3.5cm F3.5
最後に、この写真には驚かされました。
ボディに付いているモニターでははっきりと確認することはできませんでしたが、パソコンでチェックしてみてこのダイナミックレンジ。
色も明るさもjpeg撮って出しのまま、ほとんど手を加えることなくこの一枚。(センサーゴミの写り込みは修正しました。普段から綺麗にしないと…)
設定や加工のしようによって似せることはできても、この画を完全に真似することは難しいのではないかと思います。
初めてフィルムカメラで撮った写真を見た時に近い感動がこのカメラからは生み出されていくような、そんな気さえ。
Leica M8.2 + Leica Elmar 3.5cm F3.5
夢中で撮影を続けるうちに陽は山へ落ち、辺りがすぐに暗くなってきました。
あまり感度を上げるとさすがに画質が荒れすぎてしまうので、名残惜しいですが今日のお散歩はここまでとします。
次回の記事ではもっと遠く、長い旅路を書けることを祈って。
今回はこのへんで。