
Leica SL3やQ3に搭載された最先端のイメージプロセッサー「Maestro IV」では、画像処理の高速化や低ノイズに寄与し、Leica独自の色再現性を実現しています。
そして、Maestro IVでは新たな機能として撮影者の好みに応じて変更可能なカラープリセット「Leica Essential Looks」が使用できるようになりました。
この連載では、カメラにプリインストールされている「Leica Core Looks」と新たにインストール可能な「Leica Essential Looks」、
それぞれ独自のカラールックを持つLeica Looksに焦点を当てその魅力に迫っていきます。どうぞお楽しみください!
・・・
今回選んだLeica Looksは、”Essential Looks”から「Leica Sepia – SEP」です。
Leicaのサイトでは、ブラウンとイエローのトーンで写真をクラシックなヴィンテージ風に仕上げ、歴史的な写真の持つ雰囲気を再現、温かみと情緒的な深みをもたらすとあります。
スタンダードなモノクロとは一味違う、ヴィンテージな雰囲気を味わうべく撮影に行って参りました。
今回使用した機材はLeica SL3 とM型ライカ用のレンズ、Leica アポズミクロン M75mm F2.0 ASPH. (6bit)です。
SL3は6000万画素の裏面照射型CMOSセンサーを搭載したLeicaが誇るミラーレス一眼のフラッグシップモデルです。
6000万画素の高画素センサーはもちろんのこと、位相差検出、物体認識AF、コントラストAFの3種類の検出方法を組み合わせた、革新的なAFシステムを搭載するなど、SL2シリーズから着実に進化を遂げたカメラとなっています。
セピアと聞くとどこか色褪せた、あまりきれいな印象の無い色を想像していましたが、実際にはしっかりと特徴がある色で驚きました。セピアとはもともとはイカの墨を使用して作られる顔料のことを指しており、その語源となったのは古代ギリシャ語です。古代ギリシャではコウイカそのものをセピアと呼んでいたそうです。
以前は、万年筆やペンなどの筆記具用の顔料として使用されていたようですが、万年筆を詰まらせるなどのトラブルもあり、別の顔料が台頭し、今ではあまり使われなくなったそうです。
そんなセピアが写真の世界で一般的になったのは、初期のモノクロ写真が経年劣化を起こし、黄ばみと退色が発生した状態の際の色味がセピア色に近く、古い時代の写真や退色が発生した写真を指す言葉となったそうです。
Leica Sepiaでもセピア調の特徴をしっかりと感じることができます。モノクロの白の部分は黄ばみ由来の黄色がかった色になり、黒の部分は退色によって茶色や赤褐色に近い色で表現されています。
使いづらいルックなのではないかと思っていましたが、そんなことはなく、今回のような自然味あふれる被写体にもしっかりと馴染みました。また、都会の情景や建築物など、ディテールがはっきりとした被写体や無機質な被写体にもマッチすると思います。
SL3とアポズミクロン M75mm F2 ASPH.の組み合わせは非常に現代的な組み合わせと言えます。
しかし、Leica Sepiaを使うことで、写真はどこか懐かしい、ヴィンテージな雰囲気を纏います。セピアの語源なども知った上で改めて写真を見てみると、より深みを感じる色味だと感じました。
普段はカラーで撮影している方はもちろん、モノクロで撮影している方でもいつもと違う新鮮な体験ができるかもしれません。
そんな普段使わない色味を気軽に楽しめるのがLeica Looksの面白さだと感じています。
Leica LooksはSL3シリーズだけでなく、Q3シリーズでも使用することができます。
Q3シリーズはレンズ交換は行えませんが、その分非常に優れた機動性をもっており重たいカメラやレンズを持って行かずともすべてを解決してくれるでしょう。
皆様もぜひLeica Looksで普段とは一味違う、そんな撮影をしてみてはいかがでしょうか。
What is Leica Looks? 次回もお楽しみに