【marumi】Filter’s Note Vol.6 ~ソフトフィルターII~
Filter’s Noteは、いつもより変化のある写真が撮りたい方や、現像には抵抗があるが写真にアクセントがつけたい方に向けて、マルミ光機(以下、marumi)の光学フィルターや角形フィルターを用いてその能力を紐解きながら、フィルターの重ね付けをメインに、様々な作例をできる限り紹介していきます。
Vol.6では、marumiのソフトフィルターについてさらに深掘りします。
前回Vol.5でも紹介しましたソフトフィルターについて、まずはおさらいをします。
!Main Note!~ソフトフィルターとは~
SOFTフィルターは、柔らかく光を拡散し、優しく文学的な表現ができるフィルターです。
光を強く受けている場所ほど、ぼかし効果が大きく、光を発するような表現を得ることができます。
!Plus Note!~marumi DNG SOFTフィルターの表面~
フィルターを装着し、効果を堪能していただくことが本来の楽しみ方ではありますが、筆者はmarumi DHG SOFT フィルター5種中のある1枚に注目しました。
フィルターを近づけてよく目を凝らしてみると、まだら模様のような加工がされているのが微かにわかりますが、基本的には、表面からは効果を表すための大きな加工というのが特段見えることはなく、レンズに装着せずとも、実際にフィルター越しに目で見るとその先に見たものにソフト効果を感じることが出来ます。
しかしながらPortrait SOFTの場合は、フィルターの表面の小さな円形の模様がついています。
筆者のイメージは効果が強いソフトフィルターの方が表面加工が目に見えるイメージを持っていたので、一番ソフト効果が弱く作られているPortrait SOFTに対して、表面加工が見えるのはとても意外だった印象があります。
少し寄り道をしたところで、今回もフィルターの作例をご紹介します。
Nikon D800 – AF-S NIKKOR 16-35mm F4 G ED VR – marumi SOFT FantasyII
こちらは静岡県富士宮市にある田貫湖から撮影した富士山です。
4月下旬、8月下旬には富士山山頂から顔を出す太陽が湖に反射して写るダブルダイヤモンド富士を見ることができる場所で有名です。
この景色を見た瞬間に広角で撮影したかったので、16-35mmと効果が強めのSOFT FantasyIIを採用しました。
富士山のシルエットは保ちつつも眩しい太陽にこれから包まれる瞬間をより幻想的に仕上げることができました。
Nikon D800 – AF-S NIKKOR 16-35mm F4 G ED VR – marumi SOFT FantasyII
前写真よりも数分前に撮影した一枚です。
先程は太陽がほとんど顔を覗かせていましたが、こちらは今にも顔を覗かせようとしている瞬間です。
同じSOFT FantasyIIを採用していますが、太陽が出る前の方が手前の光の量は前者よりも少ないため、ソフト効果が強すぎない程度に撮影することが出来ます。今執筆しながら見て思うのはもう一段絞って撮影するとソフト効果がもう少し自然に撮影できたか、または、Retro SOFTでやってみても面白かったのではないかと考えています。
また、ホワイトバランスも調整を入れておりますが、青が強めの締まった写真では程よく抜けたようなやさしさを、赤が強めの温かみのある写真においてはより包み込むような画作りを装着するだけで叶えてくれるのが、ソフトフィルターの良さです。
SONY α7RIII – FE 24-105mm F4 G OSS – marumi Foggy SOFT
こちらはFoggy SOFTを採用しました。
Foggy SOFTはVol.5のPlus Noteでご覧いただくとわかるのですが、光の拡散効果が強めのフィルターではありますが、SOFT FantasyIIに比べて青みがかかっているのが特徴です。
緑や青の景色がより映えるのがFoggy SOFTの特徴を生かせます。
露出自体は±0の適正露出で撮影していますが、林間からの少しな光でもソフト効果を発揮してくれます。
Nikon Z6 – FTZ – AF-S NIKKOR 80-400mm F4.5-5.6G ED VR – marumi Foggy SOFT
こちらもFoggy SOFTを採用しましたが、花びらの周辺が青みがかってソフト効果を発揮してくれています。
また400mmで撮影し、ソフト効果の向上を狙い、背景が川で暗くなっているのでより花が協調された画が撮影できました。
Nikon D800 – SIGMA MACRO 70mm F2.8 EX DG – marumi SOFT Fantasy
Vol.5でも出てきた花を横から撮影しました。
こちらの写真は光を拡散している画ではありませんが、ソフトフィルターを使用することで、ボケをやわらかくすることにも活用できます。
今回はSOFT Fantasyを採用しましたが、Retro SOFT,Portrait SOFTでも同様の効果を得ることができます。
特に、野鳥や花の撮影といった際の、枝や茎などで2線ボケを抑えたいときにソフトフィルターが活躍するでしょう。
いかがでしたでしょうか。
C-PLに始まり、ND、光害カットフィルター、ソフトフィルターに付随しながら角型フィルターも紹介して参りましたが、フィルターはそれ以外にもマクロフィルターやC-PLとNDの機能が同時についたフィルターや、クロスフィルターや映画用フィルターなどご紹介した以外にも様々なフィルターが存在します。
Filter’s Noteは今後も不定期ではあるものの、撮影者の画作りの手助けとなるフィルターをご紹介して参ります。
次回のVol.7以降もお楽しみください。
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