Nikon AF-S Nikkor 300mm F4E PF ED VRレンズをメインで使い始めてからもう何年も経ちます。今でも私のカメラ(D800)にはいつもこのレンズが装着されていて、次回の出動を待っている状態です。
会社からお借りしたデモレンズで試しに子どもを撮ってみたのが、このレンズを使うようになったきっかけです。それまで標準域の単焦点やズームレンズなどを使っていた私には当時、望遠レンズで人を撮るという発想はありませんでした。
ですから初めて使った時はちょっとした衝撃を受けました。それまで使っていたレンズに不満があった訳ではありませんが、その圧倒的な画質の違いに驚いたものです。ちょっと離れたところから被写体を狙うことで、それまで使っていたレンズよりも人の表情をより自然にとらえられるような気がしました。そして被写体との距離感も心地よく、いろいろな面で撮影することが新鮮に感じられたのを今でも覚えています。
画質、持ち運びやすさ、そしてカメラにつけて構えた時のフィーリングのようなものも含めて、自分にピッタリの撮影道具と感じました。カメラやレンズとは不思議なもので、それまで感じたことのない良さを体験してしまうと、もう後には戻れないようなことがありますよね。そんな気持ちになった私はそれから間もなく、このレンズを購入して現在に至ります。
この植物の写真のように背景のぼけのきれいなところ、ピントの合っている部分はシャープなんだけど写真全体としては柔らかさを感じられるところが好きです。望遠レンズならではの強みだと思います。そうやって色んなものを撮るうちに、このレンズを使って撮影することがどんどん楽しくなっていきました。
望遠レンズで風景写真を撮る場合、この写真のように狙った被写体がファインダー内にバランス良く収まることは少ないです。普段はその時の目の前の景色をどうやって切り取ろうか、と悪戦苦闘しています。でもそんな時間も結構、楽しいです。
大きな雲に飛行機がぽつんと写っていることで、空の大きさをいっそう感じさせる写真です。望遠レンズの特徴が出ています。
以前は考えもしなかった焦点距離のレンズが今、自分にいちばんしっくりくるレンズとなっています。どこに縁があるかわからないもんですね。とても幸運なことだと思います。このレンズを使って撮影している時が一番楽しいですし、フットワークも軽いような気がします。そしてその画質の良さは何よりの魅力です。これからもこのお気に入りの道具をより使いこなせるようにしていくつもりです。そして今後どんな瞬間に遭遇するのか、今からとても楽しみです。