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【Nikon】NIKKOR HC 5cm F2 沈胴 Lマウントについて

【Nikon】NIKKOR HC 5cm F2 沈胴 Lマウントについて

皆様こんにちは。

今回はこちらのレンズについて書いてみようと思います。

一見、ライカのズミクロンL50m F2の沈胴タイプのようにも見えますが…、

上から覗いてみましょう。

「NIKKOR」の文字が。

このレンズはニコン製のLマウントスクリューレンズ(L39マウント)です。

 

さて、改めて自己紹介です。

1937年に製造された3群6枚構成ゾナータイプのNIKKOR HC 5cm F2という名称のレンズです。

(5cm=50mmレンズとなります)フィルター径は40.5mm。

当初あまりにも優れた描写から中身はそのままSonnarが使われているのではないかとも言われた銘玉の一つです。

 

こちらの沈胴タイプのレンズはLスクリューマウントとNikon Sマウントの2種類が生産されました。

2021年時点で製造から84年が経っています。

また、NIKKOR HC 5cm F2は固定鏡胴のタイプもあります。そちらは市場に出回ることも多くご存じの方も多いのでがないでしょうか。

左:NIKKOR HC 5cm F2(固定鏡胴) 右:NIKKOR HC 5cm F2(沈胴)

固定鏡胴のタイプには黒い帯が入っているタイプとすべてシルバーのものが2種類あり、沈胴タイプと合わせると3種類ありました。

もともとは沈胴モデルで製造が始められたこのレンズですが、沈胴の範囲がそこまで深くないことやピント精度を出すことや製造することが難しいことなどが理由で固定鏡胴へと切り替えられていきました。

 

先端部分をクルっと回すことで沈胴(鏡胴を沈み込ませる)することができます。

 

コンパクトに持ち運ぶことができます。(ミラーレス及びデジタルレンジファインダーカメラでは内部を傷つける可能性・金属粉などのごみがセンサーに付着してしまう可能性があるためお控えくださいませ。)

 

また沈胴モデルと固定鏡胴モデルには外観以外にも違いがあります。

それは最短撮影距離です。

上の写真はレンズを最短撮影距離にした状態です。両方ともフィート表記ですが、それぞれ3.5フィート(左:沈胴)、1.5フィート(右:固定)

3.5フィートが約1mほど。それに対し、固定鏡胴モデルは1.5フィート=約45cmまで寄って撮影することができます!

 

最近ではマウントアダプターでミラーレスカメラでライカを始めとしたLスクリューマウントレンズやMマウントレンズを楽しまれる方も増えてきています。これらのレンズはボディとの距離計連動の兼ね合いで最短撮影距離が1mや0.7mとなっており、この最短撮影距離の長さに関する悩み相談を頂く事も多々あります。

通常ですと、マウントアダプターにヘリコイド機構が搭載されているマクロヘリコイドアダプターをおすすめさせて頂いておりますが、この固定鏡胴タイプはそれに頼らずとも45cmまでの近接撮影が可能です。

(もちろん先述のマクロヘリコイドアダプターを使用すればさらに寄れます。)

 

ここで気を付けておきたいことは距離計連動は3.5フィートまでということ。

ミラーレスではなくレンジファインダーカメラを使用した場合、距離計は3.5フィートまでしか動いてくれません。3.5フィート~1.5フィートはピントリングを動かしても何も距離計は動きません。「それでは撮影中に気づかないのでは・・・?」と思う方も多いはず。

ちょうどこの部分に差し掛かったところで一旦ピントリングに抵抗がかかるようになっており、ここから距離計非連動ということに気づける仕組みになっています。

最近発表されたLeica アポズミクロン M35mm F2.0 ASPH. でも似たようなのギミックが採用されています。

 

(左:沈胴 右:固定鏡胴)

コーティングも沈胴と固定鏡胴とで比較すると後から設計された固定鏡胴の方がしっかりとしているように感じます。


近くに置いてあったライカ赤エルマーL50mm F3.5と比較してみました。

 

LスクリューマウントレンズをMマウントボディに装着する際はこのようなM/L変換リングというものを使用します。このリングには28/90、35/135、50/75と3種類ラインナップされています。

この数字はそれぞれレンジファインダーボディでレンズを使用する際にどのブライトフレームを出すかを選択するための物です。

例えば50/75ですと50mmと75mmのレンズに対応しています。

簡単に言うと付けたいレンズの焦点距離に合わせて選んであげれば大丈夫です。

73mmや85mmなどをお持ちの方は75mmや90mm近い数字を選んであげてください。

 

これを使うことでMマウントボディで使用することが出来るようになります。

Leica M10-P×NIKKOR HC 5cm F2(沈胴)

デジタルレンジファインダーカメラのM10-Pと組み合わせ。

 

なかなかシブくて良いです。

この位置に絞り指標の中央がきたので絞り指標がファインダーの中から確認ができるかと思いましたが、見えませんでした。残念。

 

Leica M6×NIKKOR HC 5cm F2(沈胴)

 

Leica M4×NIKKOR HC 5cm F2(沈胴)

一見ズミクロンに見えますが、実はニコンレンズというギャップにヤラれてしまいます…。

 

人とちょっと違うレンズを使いたいという筆者のようにマニアックな方におすすめの一本。

あまり生産本数が多くないレンズなので見つけたときがチャンスかもしれません。

 

 

NIKKOR HC 5cm F2の中古はこちら

物撮りはこの組み合わせで大半を撮影しました。

開放からキレのある描写の虜になってしまいました。

M10などでライブビュー撮影時エラーの起こりづらいRAYQUAL M/Lリングがおすすめです。

 
今回レンズと組み合わせたボディはこちら

 

[ Category:etc. Leica Nikon | 掲載日時:21年04月24日 15時33分 ]

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