
ロングセラーの“FA Limited”シリーズが、今年の4月に“HD FA Limited”シリーズとして新たにリニューアルされました。
HD FA31mmF1.8 Limited、HD FA43mmF1.9 Limited、HD FA77mmF1.8 Limitedは3姉妹レンズの愛称としても親しまれ、多くのファンから愛され続けております。
今回はその中から、広角寄りの標準レンズの“HD FA31mmF1.8 Limited”と中望遠レンズの“HD FA77mmF1.8 Limited”計2本を持って、秋桜を撮影しました。
この日は風が強く吹き、今にも雨が降り出しそうなあいにくの曇り空。
朝早く目的地に訪れると、そこにはマゼンタ、オレンジ、ホワイトと色鮮やかな秋桜が元気に咲いていました。
少しだけ時期が早かったのか、満開一歩手前の咲き具合でしたが、秋桜の蜜や花粉を求めて昆虫たちが生息していました。
今回の撮影ではカスタムイメージの「雅(MIYABI)」を選択。
このカスタムイメージの特徴は、赤・緑・青の3原色が印象的な仕上がりとなり、日本の四季折々の風景を瑞々しく表現することができる、というものです。
昔からユニークな機材を作られてきたペンタックスならではの遊び心が盛り込まれた日本の和を感じさせるネーミング、
これがペンタックス機にしか搭載されていないともなれば使わずにはいられません。
本ブログの被写体となる花や昆虫などのネイチャー撮影での相性が抜群に良いのです。
K-3 III + HD FA77mmF1.8 Limited
まずは中望遠レンズのHD PENTAX-FA77mmF1.8 Limitedをカメラにつけて撮影に挑んだところ、
現地で見たときの印象よりもはるかに花びらや茎の瑞々しさや肉厚感が伝わってくる1枚となりました。
マゼンダ色の秋桜の花びらはカスタムイメージ「雅(MIYABI)」で印象的な仕上がりになりました。
しかしその色合いは派手過ぎず自然な彩色を残したままに凛とした存在感を放っております。
K-3 III + HD FA77mmF1.8 Limited
こちらは開放F1.8で撮影。背景は癖のない自然なボケ味で被写体となる昆虫をしっかりと強調し、枯れ葉に擬態しているかのような羽根の模様までしっかりと表現されました。
薄曇りの光に照らされ作り上げられた羽根の輪郭まで丁寧に描かれています。
このとき風が強く吹き秋桜が激しく揺れていたにも関わらず昆虫は花びらに留まったまま微動だにしませんでした。
ほんとうに擬態していたのかもしれません。
K-3 III + HD FA77mmF1.8 Limited
秋桜をローアングルで曇り空に透かしてみると、ホワイトとマゼンタの繊細なグラデーションが広がりました。
ピント面はさすがの解像力を発揮し、キリッとシャープな写りが撮影していてとても気持ちが良かったです。
K-3 III + HD FA77mmF1.8 Limited
K-3 III + HD FA31mmF1.8 Limited
標準レンズのHD PENTAX-FA31mmF1.8 Limitedに交換しました。
先ほどよりも視野が広がり背景を含めた広い構図取りが可能になりました。
秋桜の葉や茎の緑が画面いっぱいに広がり、ふんわりとして幻想的な写りとなった1枚です。
K-3 III + HD FA31mmF1.8 Limited
今回は静止画だけではなく動画にも挑戦しました。
動画撮影時にもブレを軽減してくれるボディ内手振れ補正を搭載しているため手持ちでも安心感があります。
風が強かったため秋桜の揺れがかなり大きいですが躍動感のある画が捉えられたのではないでしょうか。
また明るい単焦点レンズだからこそ味わえる前ボケと後ボケを生かした撮影をすることができました。
なおHD FA31mmF1.8 Limited および HD FA77mmF1.8 Limitedはオートフォーカスの駆動音がジー、ジーと鳴ってしまうのでマニュアルフォーカスでの動画撮影がおすすめです。
K-3 III + HD FA77mmF1.8 Limited
K-3 IIIはAPS-C機にあたるモデルのため実際の焦点距離については、31mmは46.5mm相当(35mm判換算) / 77mmは115.5mm相当(35mm判換算)になります。
2本のレンズを持参したものの個人的に中望遠の画角が好きだということもあり、HD FA77mmF1.8 Limitedのほうが活躍した1日でした。
ボディ本体は防塵防滴機構なので、突然雨が降り出しそうな天候のなかでも安心感があります。
ただし持参したレンズ側には防塵防滴機構を備わっておりませんので油断は禁物ですが、
レンズに“HD(High Definition)コーティング”加工が施されているため水滴や汚れが付着した場合でも付着物を落としやすくなっております。
今回はLimitedレンズのキリッとしたシャープな写りとコントラストの高さ、抜け感の良さが静止画でも動画でもしっかりと味わうことができました。
お留守番をさせてしまったHD FA43mmF1.9 Limitedはまた次の機会に…。