【RICOH】巧造・鋼造・構造
日が傾きはじめる冬の夕方から東京の都心・副都心界隈で個性あふれる建築物散策です。
カメラはRICOH GRIIIを気軽にポケットに携行してのいわゆる「ぶらり」です。今回は敢えて建築物の構造やデザインに注視してもえるようにイルミネーションや窓明かりの色を排除したモノトーンでの撮影してみました。
まずは新宿のランドマーク的な存在でもあ『伊勢丹百貨店本店』です。
アールデコ調のゴシック風建築でライトアップでさらに垂直性が際立っていて迫力を感じます。各所の繊細な装飾が目を引きます。昭和8年の建設時から戦災や震災に耐えて現在も変わらずというのが驚きです。
こちらは『HULIC &New SHINJUKU』という商業ビルです。隣接するビル面以外をガラスで覆ったような、こちらも垂直性の美しい建築物です。扁平率の関係もあるでしょうが、多面的にガラスを用いてビル内の空間を外と分けないような透明感のある外観です。
こちらはあまりにも有名どころではありますが、新宿の『安与ビル』です。戦後のモダニズム建築の代表格と言ってもいいのではないでしょうか。八角形を何層にも重ねた個性的な構造のビルで、全体が縦格子に覆われていて、夜になると内部の明かりで輪郭が浮かび上がり一層美しさと輝きを増します。
場所を池袋駅界隈に移して、日本初の線路をまたぐ超高層ビルである『ダイヤゲート池袋』です。ニューヨークのシティコープ・センターのような低層階が大きくえぐれた空間となっていますが、尋常ではない太さのトラス構造で支えられた開放感のあるランドマークです。低層階をトラス構造で支えることで四箇所の角の柱はなくなって、視覚的にも出入りしやすいデザインだと感心してしまいます。
元東京丸物百貨店である『池袋PARCO』です。竣工から60年以上建ち度重なる改修によって当初のデザインの面影はほとんど見られないのですが、近代日本を代表する建築家である村野藤吾氏が設計を手掛けています。2016年に現在の外観へと改修され、凹凸と光の陰影によって元の村野氏のデザインを継承する形で改修されています。抜群に夜景が美しい建築物です!
今日の最後は『ハレザ池袋』。ガラス張りにされた低層階が中池袋公園に向かうような形で配置されていて、街区全体がアートとカルチャーの劇場のようになっています。不均一な幅のパネルが低層から伸びて光線が下から上へと伸び、無機質なはずの壁面がさながら揺れるカーテンの美しいドレープのように見えます。
寒いと肩をすぼめて下を見て歩きがちですが少し上を見て歩いてみると、身近に感じていた場所にも新しい発見があるかもしれません。