【Voigtlander】ULTRON 75mm F1.9 SCで視るモノクローム
初夏というよりは完全に夏模様になってきました。
同時に梅雨時期にもなり、天候によってはなかなか撮影に行く足も重くなるものです。
解決方法としては様々ありますが、その中でも「レンズを変えてみる」のも一手。
今回は私的に「梅雨時期を愉しめる」1本として、
VoigtlanderのULTRON 75mm F1.9 SCとLeica M11モノクロームで撮影してみました。
作例を見てまず思ったのが「水の描写が非常に上手い」事。
水の質感や流れる時の軟らかさをしっかり再現してくれています。
少しアンダーに、ハイライトもやや暗くして撮影するとなかなかのもの。
開放で撮影すると現代レンズながらクラシックな趣です。
ただピントをズラしただけの2枚ではありますが、どことなく詩的です。
絞り込むとご覧の通り。
パッと見ると硬いのかと思いきや、線は絞っても比較的ソフト。
しかし開くとやはりソフトな描写です。
コントラストも控え目でモノクロ撮影にも適した1本。滲みもやや見られます。
75mmという画角は筆者もなかなか苦手です。
感覚的には「比較的寄れる望遠」として50mmを使うと感じる「もう少し引き寄せたい」場合に使える焦点距離として
頭中には認識があるものの、実際使うと中々難しいものです。スナップというよりはポートレートや静物撮影に
長けた焦点距離かもしれません。
こんな感じに一つのものをしっかり寄せていく事ができます。
最近ではライカマウントのレンズもデジタル機との併用で近接撮影も可能になっています。
ULTRON 75mm F1.9 SC VMは最短撮影距離0.5m。準望遠ながらここまで寄れるのも嬉しい特徴。
最短付近では滲みも大きいながらピントの芯はしっかりしていたり、ボケ味もなかなかに綺麗です。
一方で「遠くから切り取る」ような撮り方も可能です。
現代のスナップ撮影としては一番ベターな方法。というよりは普段からボーっと見てて何か気になったら撮るという
姿勢である事から、意外にも75mmは使いやすいとも感じました。直感的には本当に50mmの感覚で使うレンズです。
但し75mmでの開放撮影は最短に近づくほどシビアでそこは望遠レンズと変わりません。
M11モノクロームも非常に表現の幅が大きく、コントラストを高めてメリハリを付ける事もできれば
今回のようにハイライトを下げてアンダーに撮影する事も可能。
梅雨時期になると特にアンダーに撮影する事も多いかと思います。その中で今回のULTRON 75mm F1.9 SC VMは
写りも柔らかめでコントラストもそこまで高いレンズではないことからアンダーに撮影するにはかなり適しています。
ボケの綺麗さや滲みが生み出す美しさはやはりどれをとっても詩的です。
このレンズ、鏡胴の仕上げも2種類ありMCだとマットブラック、SCだと鏡面仕上げのブラックペイントになります。
ボディと色味の相性を思うと互いに2種類で展開してほしい気持ちも。
写りは非常に良く、特に梅雨時期の少し暗い曇天等や少し光が差したところなどで撮影すると引き立つ1本。
生憎天気が悪く光の差すような場面は見られませんでしたが、しっかり魅せてくれる事でしょう。
ライカボディにも、マウントアダプターで他のミラーレス機にも粋なULTRON 75mm F1.9 SCで是非楽しんでみてください!