【Rollei】お散歩ローライ(ときどき、旅行) ②ローライでモノクロ
前回の掲載から少し間が開いてしまいましたが、予告通り今回はまずローライフレックスのフィルム装填について動画を交えてお話しします。
ローライ二眼レフカメラのフィルム装填・フィルム送りは、大きく分けて4種類あります。
①最初期の頃に採用されていた通称『赤窓式』。
背蓋の赤窓からフィルム裏紙に書かれた数字を確認し、1枚1枚巻き上げていく方法。
②続いて登場した『赤窓スタート式』。
赤窓で1枚目を出しカウンターを「1」に合わせた後は自動巻き止めになるタイプ。
③「ローライコードIII」以降のローライコードに採用された『スタートマーク式』。
最初にフィルムのスタートマークまで巻き上げ背蓋を閉めた後は、巻き上げていくと1枚目で止まる仕組み。
多くの中判カメラに採用されています。ローライフレックスでもFシリーズ後の「ローライフレックス 2.8GX」や「ローライフレックス 2.8FX」などは『スタートマーク式』になっています。
④今回ご紹介する『オートマット式』。
歴史は古く1937年登場の「ローライフレックス オートマット」で既に採用されています。
フィルムを装填し巻き上げるだけで、自動的に1枚目にセットされるという革新的な機構です。
言葉で説明するより、実際にオートマット機構のフィルム装填をご覧になっていただいた方が早いかと。
本当にびっくりするくらい簡単です。
慣れてくれば、歩きながらでもフィルムを入れ換えることが出来ます。(ただし注意力が散漫になる可能性があり危険です。「歩きフィルム装填」は極力避けましょう。)
ポイントは、フィルム裏紙の先端を最初にある2本のローラーの間に通すこと。
これにより紙が巻かれていく際、裏紙に貼りつけられたフィルムの始めをその厚みで検知し、1枚目を設定する仕組みになっています。
いかに画期的な機構か、お分かりになったことと思います。フィルム装填が飛躍的に簡略化された「ローライフレックス オートマット」は圧倒的な支持を得、ローライフレックスが永きに渡り二眼レフカメラの王者に君臨する礎を築きました。
ちなみにこのローラーをくぐらせないとどうなるか。当然1枚目が検知されることなく、最後まで止まることなくフィルムが巻き取られてしまいます。ローライ初心者の時にやってしまいました… 苦い思い出です。
さて、フィルムも装填したことですし、いざ撮影に繰り出しましょう。
フィルム装填の動画がモノクロフィルムだったので、今回はモノクロでの撮影を。って、こじつけですが…
数十年前の学生時代、写真部に在籍していました。まだデジタルカメラなど存在していなかった頃。
使うフィルムは専らモノクロフィルム。フィルム現像も焼き付けも勿論自分で。
フィルムは安価で、暗室も使い放題。今にして思えば、なんて素晴らしい時代だったのでしょう。
他人任せの現像・焼き付けでは仕上がりに満足できず、最近は圧倒的にカラーフィルムの使用が多くなりました。
それでも時々無性にモノクロ撮影がしたくなり…
特に中判のモノクロは粒状性のきめ細かさやグラデーションの豊かさを存分に楽しむことができます。
Rolleiflex 2.8E(Carl Zeiss Planar80mm F2.8)
数年前の写真です。浅草かっぱ橋道具街を散策したときのもの。
食品サンプルですが、モノクロで撮ると昭和の町中華の店先を思い起こさせる風情に。
ラップにくるまれている様子は、子供の頃よく頼んだ出前のラーメンを思い出させ、郷愁を誘います。
それにしてもラップのテカリ具合など、とてもリアルに描写されていると思います。
Rolleiflex 2.8E(Carl Zeiss Planar80mm F2.8)
こちらは寿司とアイスクリーム? カラーで撮った方がカラフルで華やかだったと思いますが、これはこれで。12枚撮り終わるまでフィルム交換できませんし…
これもピント合焦部分が浮き上がるように表現されました。
Rolleiflex 2.8E(Carl Zeiss Planar80mm F2.8)
巨大ソフトクリーム! 結構するんですね…
Rolleiflex 2.8E(Carl Zeiss Planar80mm F2.8)
そして、こういうのはついつい1枚ずつ見てしまいます。ちょっと欲しいかも。
「本日、定休日」なんて部屋のドアにつけてたら、…絶対妻に怒られてしまいます。
Rolleiflex 2.8E(Carl Zeiss Planar80mm F2.8)
これも欲しい!
妻に「玄関先に赤提灯ぶら下げてたら、毎日寄り道しないで帰るのに。」と言ったら、「私は居酒屋の板前じゃない‼」と激怒されました… ごもっともです。
Rolleiflex 3.5E2(Schneider-Kreuznach Xenotar75mm F3.5)
所変わって、地元駅ビルの屋上にある観覧車です。
これもゴンドラごとに色が異なり大変カラフル。カラーで少しオーバー目に撮影すると、レトロでファンタジックな雰囲気にも撮れるのですが…
モノクロでは重厚な金属感と永年使い込まれている感が強調されました。
Rolleiflex 3.5E2(Schneider-Kreuznach Xenotar75mm F3.5)
駅ビルを出て商店街を外れると飲み屋街に出ます。古くからあるうなぎ屋さん、日が暮れだしたころ灯る赤提灯が昭和を演出しています。
Rolleiflex 3.5E2(Schneider-Kreuznach Xenotar75mm F3.5)
さらに飲み屋街を抜けると、一気に閑散としてきます。意味不明な落書きを発見、場末感が半端ないです。
レトロな風貌の二眼レフカメラにモノクロフィルムを装填し街に出ると、自然と下町っぽいものや古さを感じさせるものにレンズを向けてしまいます。
ファインダースクリーンに映し出される画像は色付きですが、脳内では不思議とすでに色がなくなりモノクロで見ている気になります。
これもクラシカルなカメラゆえのことでしょうか。
皆様もローライ二眼レフにモノクロを詰めて、昭和を感じてみましょう。
Rolleiflex 3.5E2(Schneider-Kreuznach Xenotar75mm F3.5)
やっぱりちょっと欲しい…