デジタルカメラが当たり前の時代にあって未だローライ二眼レフがメイン機という、時代から取り残された(?)者の呟きです。
③とナンバリングされていますが、①②を執筆してから、かなりの時間が経ってしまいました。
前回②ではローライフレックスのフィルム装填の動画も掲載しましたので、ご興味のある方はこちらをどうぞ。
お散歩ローライ(時々、旅行) ① ローライ三昧な日々
お散歩ローライ(時々、旅行) ② ローライでモノクロ(←フィルム装填動画あり)
諸事情があって休載していましたが、その間ローライが防湿庫の中で眠っていたかというとそんなことはなく、散歩に旅行に変わらずお供してくれました。
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ローライ二眼レフカメラには、その歴史の中で様々なバリエーションが存在していました。大きく分けると2つの流れがあります。
ローライの代名詞ともいえる「ローライフレックス」のシリーズと、より簡易化されたモデル「ローライコード」の2種です。
特にローライフレックスは二眼レフカメラの王様的存在。
ドイツの有名レンズメーカー、カール ツァイス社製のプラナー レンズを搭載したモデルとシュナイダー社製のクセノタール レンズを搭載したモデルが存在します。
さらにそれぞれが75mm F3.5と80mm F2.8という2種の画角を備えたレンズを揃え、結果的に同じ時期に4種類のカメラを世に出していたことになります。
日本では「ツァイス信仰」なる言葉もあるくらいカール ツァイス製レンズの人気は高く、より明るいプラナー 80mm F2.8を搭載したローライフレックス 2.8Fが圧倒的な人気を集めました。
ただ、ひと回り口径の小さい75mm F3.5レンズを搭載した3.5Fシリーズの方がボディバランスは良く、手のひらに乗せた時ちょうど良い感じで収まります。(2.8Fはレンズが重い分、少し前に傾く感じがします。)
シャッターのレリーズ感も異なり、2.8Fがちょっとテンションがかかる感じで「カチッ」と切れるのに対し、3.5Fは「カショッ」という優しい感触でシャッターが切れます。
その辺りが玄人受けするのか、3.5Fを愛用するプロも多くいました。
では実際、どのレンズを搭載したモデルが良いのか? 長年ユーザーの間で論争が繰り広げられてきましたが明確な答えはなく、最終的にたどりつく答えは「自分の持ってるローライが1番!」というもの。まぁ、そんなもんです。
私も何度かそれぞれの撮り較べをする機会がありましたが、正直なところ描写のはっきりとした差なんて判りませんでした。
そんなわけで数多の先人たちが唱える「より柔らかな描写のプラナー レンズは人物撮影向け、より歪みの少ないクセノタール レンズは風景撮影向け」という言葉を緩く信じることにしています。
といっても、旅先でプラナー レンズによる風景撮影もしますしクセノタール レンズで妻を撮ったりもします(たまにですが…)。
そしてそれぞれの写りに満足しているのですから最早どれでも良いか… その時持ち出したローライを信じて撮影を楽しんでいます。
今回は特に通好みと言われるシュナイダー クセノタール 75mm F3.5で撮影した作例をご紹介させていただきます。
私の持っているクセノタール搭載カメラは、ローライフレックス 3.5E2。
3.5Fの一世代前のモデルになりますが、仕様はほとんど一緒。それでいて3.5Fより中古価格が格段に安いので狙い目のカメラでもあります。
さて、まだ初夏といえる頃、向かったのは大田区 京浜島にある「京浜島 つばさ公園」。羽田空港に近く、空港に向かう飛行機を間近で見られるスポットとして有名です。
自宅から自転車で30分弱、妻とサイクリングがてら出かけました。以前から行ってみたいと思っていたのですが、今回妻が自転車を買い替えたのを機会に訪れてみました。
Rolleiflex 3.5E2(Schneider-Kreuznach Xenotar75mmF3.5)以下、同じ。
公園に着いて早々、大きな音と共に飛行機が目の前を横切っていきました。
「近っ!!」
妻も私も大興奮。噂には聞いていましたが、まさかこれほどの距離で見られるとは。
海岸の手前に松が並んでいるのですが、その奥を通り過ぎる飛行機。なんか遠近感がおかしくなる光景でした。
公園の様子はというと、こんな感じ。結構賑わっていました。
手前のシートにいるのは高校生のカップル。青春してました…
高画素デジタルには遠く及びませんが、それでも中判フォーマット。細かなところまでよく写っています。
とにかくさまざまな飛行機が、山手線と同じくらいの間隔で飛んでくるのですから見ていて飽きませんでした。
カメラを構えている方も多く、望遠レンズ付きの一眼カメラがあちらにもこちらにも…
そんな中、二眼レフカメラを構えるオジサンが一人… まぁ、浮いてました。
でも、35mm判換算約42mm相当のそんな二眼レフでも十分写真になる「京浜島 つばさ公園」、おススメスポットです。
今度来るときは、絶対ビール持ってこよう…
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Rolleiflex 3.5E2(Schneider-Kreuznach Xenotar75mmF3.5)ローライナー 2 使用
6月初めの時期、これまた妻のリクエストでアジサイを見に出かけました。
葉の隙間から入る光が五角形になっているのが分かります。絞り羽根の枚数が少なく絞るときれいな五角形に、それが光源ボケとして出ています。
ローライのボケは決してきれいとは言えません。ちょっとざわざわしたボケに、でもそれがオールドレンズらしい味わいとなっています。
ローライナー 1 使用
近接撮影に必須のアイテムが「ローライナー」。付けるとバックのボケのざわざわ感が薄れ、絵画的な印象に。その効果を狙って装着することもあります。
最近、あえて前に大きなボケを持ってくることをしています。バックのボケと異なり滑らかなボケ味で、ピント合焦面の鮮鋭さを際立たせてくれます。
ローライナー 1 使用
背景にボケて見えるのは妻です。
クセノタールと歩んだ夏ももう終わり… 秋はどの二眼レフとお散歩しましょうか。