【タイムズフォト】カワセミ撮影同行記
こんにちは。ストロベリー小野です。
今回はコリドラスさんの案内で、カワセミの撮影に行ってまいりました。
これまで私が持っていたカワセミ撮影のイメージといえば、ブラインドに入ったまま何時間も待って、撮影できるのはほんの一瞬という厳しいものでしたが、コリドラスさんが見つけてきた撮影場所は、簡単に近寄れてしかも撮影機会も多く、そうとうにのんびりしたところのようです。以前から少しでも近くでカワセミを撮影したいと考えていた私には非常に興味が湧きました。しかしいかにヒトに慣れたカワセミとはいえ、10メートル以上の距離はありそうです。またカワセミはスズメよりやや大きい程度で、離れたところから大写しするのは非常に難しいものです。そこでレンズは出来るだけ焦点距離の長いものを準備することにしました。
撮影地に着いてみると、ちょうどカワセミがお気に入りの枝にとまっているところを何人かのカメラマンが撮影しているところでした。
早速機材をひろげて撮影開始です。
今回持ち込んだのはペンタックスのレフレックス1000ミリF11。以前に野鳥の撮影用に購入したものの、F値が暗すぎてリバーサルフィルムではつかいにくく、それからかなりの期間お蔵入りしていたレンズです。しかし今回はデジタルカメラ(K200D)で使用するので、ISO800程度までを実用範囲と考えればなんとか使えるのではないかと判断しました。さらにデジタル一眼レフの撮像素子の大きさによる焦点距離換算値は1500ミリ相当。どんな写真が撮れるのか全く未知数です。
■使用機材 PENTAX K200D+レフレックス1000ミリF11 (撮影距離約17m)
ISO 400 1/125秒 F11
瑠璃色の背中をこんな間近で見たことはありませんでした。久しぶりに見たカワセミの美しさに見とれながら撮影したファーストショットです。
■使用機材 PENTAX K200D+レフレックス1000ミリF11 (撮影距離約17m)
ISO 400 1/125秒 F11
レフレックス1000ミリF11をK200Dに装着して久しぶりに使用してみると、ファインダーはやはりかなり暗く、ピントの山もなかなかわかりづらいものです。ピントリングもやや重い感じで、ベストなピント位置を探るのには大変苦労しました。また、比較的大型の三脚も持ち込んでいましたが、三脚に乗せたカメラを握りこんで撮影するため、ファインダー像は微妙に揺れています。K200Dの手動焦点距離入力は800ミリまでしかなく、頼りの手振れ補正機能にもどの程度の効果があるのかがわかりません。当日の天候は基本曇りで、ISO400で1/90秒程度しかシャッター速度が稼げませんでした。時折日が差す時もありましたが、それでも1/250程度です。もはや手振れ補正も限界に近いことは確かです。1000ミリという焦点距離とF11の開放F値が、普段使い慣れた300ミリ程度の望遠レンズとはまるで勝手が違うことが改めてわかりました。この時点で動きのある撮影は無理と判断し、とまっているカワセミだけに集中して撮影することにしました。
しかし、レフレックス1000ミリF11でファインダーに捉えたカワセミの姿は500ミリ程度のレンズとは全く異なり、構図を意識したフレーミングができるほど十分に大きく迫力があります。「なんとか1枚でもモノにして帰りたい」と思わずにはいられませんでした。
■使用機材 PENTAX K200D+レフレックス1000ミリF11 (撮影距離約14m)
レフレックス1000ミリF11は非常に旧い設計である上に既に絶版となっていますが、かつては屈折光学系の色収差の補正が十分出来なかった時代には貴重な存在だった、色収差の発生しない超望遠レンズです。
またレフレックスレンズといえば「リングボケ」が有名ですが、今回の撮影では背景がリングボケになることはあまり無く、あったとしても僅かなもので主題に影響を与えるほどのものではありませんでした。
常連のカメラマンに聞いた話では、カワセミは春になると子連れで現れることがあるそうです。
次回は親子のカワセミを撮影できたらいいなと思いながら、撮影地を後にしたのでした。
(最後になりましたが、コリドラスさん本当にありがとうございました。)