サーキットに行こう番外編
『Honda Collection Hall』
栃木県にあるツインリンクもてぎ
このサーキットの敷地内には「ホンダ コレクションホール」という
自動車の博物館があります。
創成期から現代まで、市販車からレーシングカーまで
数多くのホンダ車(と関わりの深い車)が展示されています。
今回訪れたのはスーパーGT最終戦開催期間中とあって
『最速のNSXを目指して~全日本GT選手権制覇への軌跡~』
という企画展がおこなわれていました。
トヨタ カストロール トムス スープラや
日産 ペンズオイル ニスモ スカイランGT-R等
NSXと同じ時代を戦った各メーカーのGTマシンが揃いました。
ホイールに刻まれたキズが歴戦を物語ります。
80年代に圧倒的な強さを誇ったモチュール無限シビック。
小さな頃、大好きだった「家のシビック」はこの型でした。
自動車レースの最高峰、F1世界選手権
ホンダは1960年代にF1への挑戦を開始しました。
第1期F1活動は「優勝」という結果を残し
1968年に一旦終わりを告げます。
80年代の第2期F1活動。
ホンダは最強のエンジンサプライヤーとして黄金期を迎えます。
中嶋悟選手がF1の世界にデビューしたロータスホンダ99T。
ホンダV6ターボエンジンは全てのチームが欲しがる
最強最速のパワーユニットとなりました。
ホンダターボの独走を止めるため、だったかどうかは定かではありませんが
1988年を最後にF1は25年近く自然吸気エンジンの時代へと移ります。
第2期F1活動最期の2年間はV型12気筒エンジンで挑みました。
1992年は年間王座は逃したものの、「ホンダミュージック」と呼ばれた
美しいエグゾーストノートが今でも記憶に残ります。
第3期F1活動
21世紀になりF1は空力開発が加速します。エンジンパワーだけでは勝てない
時代にホンダは苦戦を強いられます。
2006年にジェンソン バトン選手のドライブするRA106が
第3期F1活動唯一の勝利を挙げます。
翼端板の裏側に刻まれたチームスタッフの名。
第3期F1活動最後の2008年。
行き着くところまで行った感のある空力開発。
翌年以降、これらの過剰な「空力付加物(エアロガジェット)」は
廃止の方向へと向かいました。
アメリカンモータースポーツの名門ターゲット・チップガナッシ。
ホンダは米国インディカーシリーズにもエンジンを供給しています。
四輪以上に長い歴史のある二輪レースへの参戦。
歴史的名車が一堂に並ぶさまは圧巻です。
NSR500のエンジン。このようにディスプレイされると
さながら現代芸術作品のようです。
他に類を見ない画期的な機構のエンジンを搭載するNR500。
「他とは違うものをつくる」姿勢は昔も今も変わっていません。
NR500の先端技術を市販車にフィードバックしたホンダNR。
カーボンファイバー製のカウルや多数の専用部品で制作された
希少な一台です。僅か322台が販売されました。
ホンダは古くから「二足歩行ロボット」の研究も進めています。
「二本の足で自立して歩行する」普段私たちが無意識に行っている動作は
実はとても複雑で、ロボットで再現するのは困難を極めたそうです。
今では上手に走ることもできるんですよ!
会うたびに成長しているアシモくんです。
・・・
静まりかえったホールの外から
GTマシンのエグゾーストノートが聞こえてきます。
今シーズンの最終戦がいよいよ始まろうとしています。
そろそろサーキットに行こう
今回は奮発して指定席を取っているのです。
使用したカメラとレンズ
Nikon D610
Nikon AF-S NIKKOR 50mm F1.8G
写真と文 MAP CAMERA STAFF