【タイムズフォト】ニッポンの大口径中望遠でニッポンの通勤桜
いままでの寒さが一気にやわらぎ、身も心も軽くなるようなこの頃、いかがお過ごしでしょうか?
私も分厚い冬のコートを脱ぎ、少しだけ身軽になりました。
今まではかばんにボディとレンズ1本忍ばせるのがやっとだったのですが、服装が身軽になった分もう一本持って行くか!なんて日も増えそうです。
昨年春よりフィルム視点でいろいろと綴らせていただきましたが前回の記事「ビタミン現像」でひと段落。自分の中で不思議な「やりきった感」が出てしまいました。
とはいえ写真を撮りたい気持ちにはいささかの衰えもありません。
ちょっと切り口を変えて今度は「レンズ視点」で綴らせていただこうと思います。
そんなこんなで心機一転、ふだんなかなか手が伸びない重い重ーいレンズを使ってみることにしました。
「ニッポンの大口径中望遠でニッポンの通勤桜 キヤノン85mmf1.9L」
1958年発売のLマウントレンジファインダー用レンズ。使用ボディもキヤノンとも思ったのですがやっぱりM5で。
MマウントのM5にLマウントレンズを使用する場合「MLリング」を使用する事になります。きちんと対応焦点距離用のMLリングを使えば対応したフレームをファインダーに出してくれるのがM型ライカの凄いところ。
しかし85mm用のフレームはないのでキヤノンのズームファインダーを使用します。
V、VIシリーズ用の連動ピン付ファインダーで、V VI以外のボディに使用すると「おじぎ」をしてしまうため使いずらいのですが、M5に取り付けるとなぜかちょうど良い位置で止まるので使用可能。
使用フィルムは「元祖ヴィヴィッドモード」のビッグネーム「ベルビア」の名を受け継ぐフジクローム ベルビア100F RVP-F
これら一式を通勤バッグに詰め込んで家を出ます。
おりしも桜の花が見ごろ。通勤途上にもあちらこちらに見ごたえのある桜木が。
M5 / Canon 85mmf1.9 f1.9 RVP-F
M5 / Canon 85mmf1.9 f5.6 RVP-F
f1.9の大口径となるとついつい開放を使ってドカンとぼかしたくなるのですが、
そんな要求にあっさりと答えてくれるM5の距離計に脱帽。
合焦部分はシャープ。ボケは・・さすがに大きなボケですがちょっとウルサいかな・・?でも望遠もたまにはいいものです。
キヤノンの同種の85mmレンズの中では軽い部類ではありますがそれでも410g。M5+キヤノン85mmF1.9+ズームファインダーの組み合わせとなると、かなりの重量。
レンジファインダーといえば出てくるキーワードである「軽快さ」とは無縁の組み合わせですが、これだけのピント精度を見せてくれるのならわざわざ持ち出したかいもあるというものです。
存在感のかたまりのようなフィルムカメラ、レンズ。
撮って、現像して、スキャンして。結果を見るまでにとにかく時間のかかるフィルム写真。
でもそれが、それこそが楽しいのだから仕方ありませんよね。
やっぱり フィルム写真は死なず、未だ消え去りもしない です。