二眼レフは、いかがですか?! 番外編⑤
今回はいつもの二眼レフ対決を拡張、中判カメラの雄同士で較べてみました。
ハッセルブラッド500シリーズといえば、中判一眼レフカメラを代表する存在。 シンプルでクラシカルなスタイルのローライか、多くの交換レンズを備えたシステマチックなハッセルか、当店でも人気を二分するまさに「好敵手」ともいえるカメラです。
私自身は両機種を所有しているのですが、普段のお出かけに持ち出すのは圧倒的に二眼レフの方が多く、より重くかさばるハッセルはタンスの肥やしになってしまっている傾向が… うぅ、ごめんなさい…
今回は、そんなかわいそうなハッセルを久々に表に出しての撮影。 とはいえ、やっぱりこの二つを持ち出すとなると、かなりな荷物です…
レンズは、ともに「カールツァイス プラナー 80mmF2.8」。 …まぁ、だから撮り較べてみようという気になったのですが… はたして、同じ「プラナー」の名を冠したレンズ、写りにどんな違いが出るのか、または出ないのか…
2.8F プラナー80mmF2.8
CFプラナー80mmF2.8T*
そう、ハッセルブラッドのCFレンズには「T*」マークが。 つまりツァイスのTスターコーティングが施されています。 このへんも写りに影響が出るか…
(2.8F) F2.8
(CF80mm) F2.8
まずは、絞り開放での撮影。 …と、ここでいきなりのお詫びです。 先にハッセルを久々に出して、と書きましたが、本当に久々だったせいかフィルムマガジンの調子が悪く、きちんと装填したにもかかわらず1枚目の最初の部分(画面では下の方)が切れてしまいました。 …やっぱり時々は出して動かしてあげないと、カメラも機嫌を損ねてしまうんですよね…
気を取り直して見える範囲での比較ですが、CFレンズの方が色味が鮮やかな印象を受けます。(PC上でどのくらい再現できているかなのですが…) 2.8Fの方は、少しくすんだ感じに。
背景のボケは同じくらいですが、近くのボケは2.8Fの方が若干大きいようです。
(2.8F) F4
(CF80mm) F4
1段絞っても、近くのボケは2.8Fの方が大きく見え、そのぶん焦点の合っている対象の浮き上がりが大きく感じられます。
(2.8F) F5.6
(CF80mm) F5.6
(2.8F) F8
(CF80mm) F8
CFレンズの方がいわゆる「色の抜け」が良く、植木鉢の白がより鮮明に見えます。
(2.8F) F5.6
(CF80mm) F5.6
2.8Fの方が、背景のボケがわずかに大きいです。
(2.8F) F2.8
(CF80mm) F2.8
CFレンズの方が、色味が鮮やかでくっきりしています。 そのぶんシャープさが強く感じられ、逆に言うとどぎつい印象さえ受けます。
(2.8F) F2.8
(CF80mm) F2.8
ここでもCFレンズの方が色鮮やかで、2.8Fの方は柔らかい印象を受けます。 背景のボケも同じく2.8Fの方が大きいか。
(2.8F) F8
(CF80mm) F8
絞っても、2.8Fの方がより背景のボケが大きく、CFレンズのシャープな印象は同様です。
(2.8F) F5.6
(CF80mm) F5.6
提灯や手前のすだれ1本1本の再現から見ても、CFレンズはコントラストが高くシャープ、2.8Fはより柔らかな描写と言えます。
普段お店でも「ローライのプラナーの方が、ハッセルより柔らかい感じで撮れますよ」と紹介していたのですが、今回の撮り較べでよりはっきりしたでしょうか。
できれば人物などを撮影して肌の感じを較べてみたかったのですが、如何せんモデルさんが…
というわけで、今回はモデルの募集を行いながら締めくくらせていただきます。 どなたかお願い!!
続く… (文責・イット)