ご無沙汰しています。 マップタイムズ1ゆる~いコーナーの復活です。
本当に久し振りになってしまいましたので、ご存知ない方のほうが多いと思います。 デジタルカメラ全盛の時代に、旧時代の二眼レフをいじって悦に浸るだけでなく、時折それを持ち出して街に繰り出しては、およそ作例とも思えない写真を撮りまくり、長たらしい文章を書きつづるというコーナーです。 ……今までよく会社が許してくれてたなぁ…
前回掲載が去年のアジサイの時期ですから、丸1年……ええ、さぼってました…(開き直ってみる) 写真は撮り続けていたし、カメラも順調に(?)増え続けているのですが、如何せん筆不精なもので、文章書き上げる前にシーズンが終わってしまうんですよね… それでもよければ、去年撮った京都の紅葉の写真とか出しますが… 観たい人います?
で、今回の写真は鎌倉のアジサイです。 …ええ、またです。 カメラはマミヤのC220プロフェッショナル。 『Rollei & Other TLR』コーナーをクリックしていただくと、期せずして去年のローライフレックス2.8F(プラナー)との写真の比較ができます。 おまけに『HASSELBLAD』のコーナーをクリックし過去にさかのぼり「二眼レフは、お留守番…」という番外編を観ていただくと、さらに前年のハッセル500C/M+C80mm F2.8との比較もできます。 どうです、この充実ぶり!(先の「期せずして」は消してください)
…さて、C220ですが、最大の特徴は二眼レフカメラでありながらレンズ交換ができるという点です。 そのラインアップは標準の80mmの他に広角の55mm、65mm、望遠の105mm、135mm、180mm、250mmと多彩なものでした。 ただし、その分ボディは大型でちょっと無骨なイメージがあり、1焦点のみのシンプルさが二眼レフの美徳だと思っている身としては、正直今まで興味を持てませんでした。 …でも結構安いんですよね。 標準レンズ付きで、4万円も出せばかなり程度の良い個体を手に入れられます。 交換レンズも、広角系はちょっと見つけるのに手間取りますが、望遠系は安価で簡単に入手できます。
…で、手に入れたカメラの印象はというと、確かに大柄ですが、左右どちらの手でもピント調節ができ、レリーズや絞り・シャッター速度のレバーも大きく、操作感は結構良いものでした。 …食わず嫌いだったかなと…
また、もう1つの特徴として接写に強いということ。 ピント繰り出し部分が蛇腹になっていて、伸びる伸びる。 標準80mmでなんと35cmまで寄れます。 ローライの接写用アクセサリー「ローライナー2」に匹敵する性能がカメラ単体で発揮できるのです。
実際の最短距離がどのくらいかというと、こんな感じ。 ピントは1番手前の面にきています。
念のため、アサヒスーパードライでも試してみました。
びよ~ん
ただし、落とし穴はあるもので、パララックスの補正は全くされていません。 一眼レフならファインダーで見たままが写るので問題ありませんが、二眼レフやレンジファインダーは、見る部分と撮影レンズが離れている分、どうしてもズレが生じてしまいます。 被写体に近寄るほどそのズレは大きくなります。 先の「ローライナー」はビューレンズ側に斜めのガラスを組み込むことで補正されるのですが、C220にはそのような機構はありません。 実際撮影してみたところ、最短距離ではスクリーン中央に対象物を置いて撮ると、出来上がった写真では画面の下ギリギリにかろうじて写っている程度でした。 当時、マミヤからは「パラメンダー」というアクセサリーが用意されていました。 ボディと三脚の間に入れ、撮影距離に合わせてボディ本体を上に持ち上げるという力技的グッズです。 普段あまり三脚を使わない身としては… えーい、目分量! 幸い、C220のスクリーンはピントの山がつかみやすく、画面周辺部でもピント合わせができました。 撮りたいものをスクリーン下部に持っていき、その下に何が写るかは心の眼で想像して撮影しました。
もう1つ、露出補正も必要になりますが、これはボディ側面に表示されている表で対応できます。 (ポジフィルムの場合、気持ちアンダー目でしたが)
長―い前置きの末、ようやく本題。 6月上旬(ですから1ヶ月前 …だから筆不精なんだってば…)曇り空の下、北鎌倉駅に降り立ち、さっそくあじさい寺「明月院」に。 全体的に満開にはまだ早かったのですが、その分どの花にも初々しさと生気が感じられました。 人も比較的少なく(あくまで比較的ですが…)なんかいい感じ。
では、撮影です。
(フジ・ベルビア100F) 一番上の写真と同じ場所。 いきなりの接写です。 目分量ですが、まあまあいい感じに仕上がったかなと…
(ベルビア100F) こちらは残念、ちょいブレました。 実は左手で手前の葉っぱを押さえ、右手でカメラを前後させてピントを調節しシャッターを… しょーがないじゃん、独りなんだもん…
…人が少なめなのをいいことに、普段は入らない奥の庭園にも入ってみました。 この庭園、先にお寺の拝観料を払ったうえに別料金(500円)を払わなくてはいけないので、敬遠する人が多いんですよね。 (って、私も普段はそうなんですが…) 中は、ハナショウブが見頃でした。
(プロビア100F) これより上にカメラを向けると人が入ってしまう… 結構アングルが難しい所です。
さらに奥には小ぶりのアジサイの一群が… 一角を独占して撮影に没頭。 目分量、目分量…
(プロビア100F) 絞り開放か1段絞ったくらい… なだらかなボケ、いいです。
(プロビア100F) こちらはF5.6 ボケの感じ、ローライより自然かも…
庭園を出たくらいから、雨がポツポツと…
(プロビア100F) 前回も撮った竹林の前。 もう少し上に向ければよかったんですが、雨が気になっちゃって… でも絞りの五角形、出てます。
「明月院」を後にして、線路を越え、「浄智寺」へ。
(プロビア100F) まだ完全に色づく前の柔らかさも写っている気がします。
(プロビア100F) 総門手前の「甘露の井」 画面で分かるでしょうか、フィルム上では前のガクアジサイが浮き上がって見えます。
(プロビア100F) こちらもそう。 う~ん、セコールレンズ、気にいっちゃいました!
お寺の中には入らず、隣の「東慶寺」へ。 ここも入口手前のアジサイがまさに見頃を迎えていました。
(ベルビア100F) 奥行き感を出そうと前ボケに挑戦したのですが、露骨すぎました?
ここでは中に入り、撮影。
(ベルビア100F)
(ベルビア100F) くー、溶けてます!!
(ベルビア100F) これ、トリプレットレンズで撮ったら、多分すごいことになってたと思います。 この自然なボケ、なんか癖になりそう…
(ベルビア100F) 画面で見えるでしょうか? 実はかなりの雨なのです。
ちょっと傘が手放せなくなりました。 気がつくとカメラも濡れてたりして… 蛇腹だし、まずいよねぇ… とりあえず出て、駅に向かいましょうか。 残り枚数も少ないので、先ほどの入口手前のアジサイで撮り終えて、駅でフィルム交換かな、とカメラを構える寸前に若い女性の3人組が「わー、奇麗!!」と前に。 (ここは素直に待ちましょう。) じー 「すごい、満開だねぇ!」(そうですね…) じー コンパクトデジカメや携帯でパシャパシャ。 雨もさらに強くなってきました… じー 「ねぇ、こっちは?」「あ、いいね!」 じー 「どれ、見せて!」 だー!
(ベルビア100F) 別に若い子を狙ったわけではありません!
電車に乗り込み、鎌倉駅へ。 目指すは、毎度の定番、そばの「なかむら庵」! (詳しくは前回までのを見てください) もう2時になっていたので、お店は空いてました。 いつもの大冷やしなめこそばを!
図柄は前回と一緒…
ゆっくり味わうつもりでしたが、思っていた以上にお腹が空いていたらしく、あっという間に完食。 これだけは、とそば湯はゆっくり堪能しました。 ズー 外の雨は降り止む気配もなく… さて、どーしましょう… ズー 例年通り、江ノ電に乗って「成就院」に向かうか… この雨だから人は少ないかも… ズー ………雨だもんね。 カメラこれ以上濡れたらまずいし… なんたって蛇腹だし…
…お店を出た後、「鏑木清方記念美術館」で美人画を鑑賞し、お土産物屋をひやかしてから帰途に着きました。 だって蛇腹なんだもん…
続くかしらん… (文責・イット)