先黒と歩く浅草
昨年9月にリニューアルされたVoigtlander (フォクトレンダー) ULTRON 40mm F2 Aspherical SL II S(ニコンF用)。
レンズの高性能化が盛んな中、クラシカルな外見の中に
現代の光学技術が詰め込まれたコンパクトなマニュアル専用レンズです。
本レンズは前モデルと同様にニコンのAi-S仕様とCPU内蔵を継承しつつ、
前モデルにはなかったいわゆる「カニ爪(距離計連動爪)」が追加されてAi以前のニコンカメラにも対応しています。
今回は通称“先黒(さきぐろ)”と呼ばれるブラックリムカラーのこのレンズを携えて、この通称がどことなく似合いそうな街浅草を歩きました。
仲見世通り入口からすぐ脇に入った路地にあった着物レンタル店のマネキン。
ボケ方に大きな癖はなく、手前を大きくボケさせても自然な感じです。
クラシカルな外見ではありますが、ピント面は解放からしっかりとシャープな描写。
F4まで絞ればよりピント面が引き締まります。
花やしき前の土産屋の通りを歩くと、レトロな雰囲気に溢れていました。
吾妻橋を渡って有名なアサヒビール本社ビルから牛嶋神社へ。
思えば今年の正月の記事ではこのレンズの先々代モデルで柴又の狛犬を撮っていたのを思い出しました。
後で調べて分かったのですが、この神社は東京スカイツリーの氏神様であり、また名前の通り狛犬ならぬ「狛牛」があるそうです。
せっかくなので定番のスカイツリーを一枚。
前モデルと比べて基本的なレンズ構成は変わっていないものの、
本レンズの特徴はクローズアップレンズを用いなくても最短で25㎝まで寄れるようになっていることです。
たとえ25㎝まで寄ることはないとしても、これまでよりもう一歩踏み込める安心感があります。
デザイン面では精密に削られた金属製のローレットを回しているだけでも楽しくなってしまいました。
まさしくニコンファンのために作られたようなデザインにすっかり魅了されてしまい、近頃出番のすっかり無くなっているニコンFに装着して撮影に出掛けようと思います。
オールドニッコールレンズを知っている方もそうでない方も一目でノスタルジックな気分にさせてくれる一方、写りの方はしっかり現代に寄せている本レンズ。
ぜひ手にしてみてはいかがでしょうか。
Nikon (ニコン) D800E ボディ
+Voigtlander (フォクトレンダー) ULTRON 40mm F2 Aspherical SL II S(ニコンF用) ブラックリム