初めてのカメラ。 その4 ~35mm判換算とは何ぞ?~
皆様こんにちは!
今回のテーマはいよいよ「35mm判換算」です。
前々回にこの言葉をチラつかせてから引っ張ってしまいました。
以前の「初めてのカメラ。」シリーズは
こちらは、今現在普及している
代表的なセンサーの大きさを比較した表です。
例えば大きい順に4種類のセンサーを搭載したカメラに
それぞれ「同じ焦点距離」のレンズを装着して写真を撮ったとしたら…
使用機材:Canon EOS 5D Mark III
フルサイズセンサー搭載機です。
目で見ているのに近いかなぁ、といった感じ。
使用機材:Nikon D3100
APS-Cサイズのセンサー搭載機です。
先程より少し狭いような…
使用機材:Panasonic DMC-GH1
フォーサーズセンサー搭載機です。
アップになっています。
使用機材:Nikon Nikon1 V1
最後に1インチセンサー搭載機です。
これらは全て三脚を立てて50mmの焦点距離で撮影しています。
ワタクシ、一歩も動いてないのに全然変わっちゃうんですね。
つまり、同じ焦点距離のレンズを使っても
センサーの大きさが変わると写る範囲も変わってしまうんです!
たとえばこんなことも…
私:凄い綺麗な写真だね!どんなレンズを使ったの?
友人A:50mmっていうレンズで△△から撮ったんだよ!
私:そうか、ありがとう!私も行ってみる!
~それから数日後~
私:A君、50mmを持って行ったのに全然同じように撮れないよ。
友人A:え!? どうしてだろう。僕のカメラはフルサイズセンサーだけど…
私:あ! 私のカメラはフォーサーズセンサーだ…
ちゃんとカメラの種類を聞かないとこんなことも起こりうるんです。
センサーの大きさが変わることで写る範囲が変わってしまう。
これを統一させるのが「35mm判換算」という計算式です。
語弊があるかもしれませんが、ザックリいうと
35mm判(35mmフィルム・フルサイズセンサー)の焦点距離・画角(写る範囲)を基準として
自分が持っているカメラでどうやったら35mm判と同じように撮れるかを求める計算です。
ちょっと理屈っぽくなりますが計算の方法です。
35mmフィルム(フルサイズセンサー)は36×24という大きさで
これの対角線の長さが約43mm。
この数字をよく覚えておいてください。
これに対してAPS-Cサイズは機種によって微々たる差がありますが
23.4×16.7が一般的で対角線の長さは28.7mm。
それぞれの対角線を割り算すると28.7÷43=約0.66になります。
逆に43÷28.7=約1.5です。
今度はフォーサーズ規格だと17.3×13という大きさで
対角線の長さは21.63mmなのでこれも割り算です。
21.63÷43=約0.5、43÷21.63=約2です
この2種類のセンサーを例に挙げましたが
最初の計算は35mm判に対しての対角線長比
次の計算が「35mm判換算」に必要な倍率です。
この計算をもとに先程の友人Aとの話を整理してみましょう。
友人Aはフルサイズセンサーのカメラで50mmのレンズを使いました。
一方私はフォーサーズセンサーのカメラです。
上の計算式によるとフォーサーズ規格の換算値は2です。
なのでフォーサーズ規格のレンズの焦点距離を2倍してあげると
友人Aのフルサイズセンサーで撮った写真と
同じような画角で撮れる…ハズ!ということです。
今回は友人Aのレンズの焦点距離が分かっているので
それを2で割れば求められますね♪
50÷2=25、これでオシマイです。
つまり私はフォーサーズセンサーのカメラに焦点距離25mmのレンズを付けて
友人Aと一緒の場所に行けば同じような写真が撮れることになります。
もし私がAPS-Cセンサーのカメラを持っていたなら換算値が1.5なので
50÷1.5=33.33…なので全く同じではないですが近いのは35mmです。
このように計算をしながらレンズって選ぶんですね。
最初のうちは大変ですが、そのうち数字を言われて
上の空でパッと計算できるようになるのでご安心を。
これでレンズ選びが楽しくなります♪
※最後に補足ですが、これまで書いてきた内容だけだと
焦点距離=写る範囲という捉え方が出来てしまいますが
厳密にはそうではありません。
実際に写る範囲はレンズが持つ
焦点距離に対しての対角線画角を目安に決まります。
上の写真に書いてあるとおり、画角を合わせることで
焦点距離を導き出し、実際に写る範囲を考えていくのが正しいやり方です。
しかしながら撮影のときに「○○mmのレンズの画角は□□度で対角線の長さが…」なんて
細かい数字を覚えていないと計算が出来ないような
複雑なことをやっている余裕なんてありません。
なので、焦点距離という明確な数字に掛け算をして
ザックリとした目安を計算するのが一般的です。
…長くなってしまいました。
ご覧いただきありがとうございます。
ごゆっくり休息ください。
次は何をお話ししましょうか。