【マップカメラ鉄道倶楽部RailMap】幻の新型電車が帰ってきた!
東京と千葉県の蘇我とを結ぶJR京葉線。
各駅に設置された時刻表に、列車の長さについての注意書があるのをご存知ですか?
京葉線の時刻表に書かれた注意書(写真左)とホームに残るE331系の乗車位置を示す印(写真右)
10両編成と同じ長さの14両編成の車両?
この不思議な14両編成の電車は、昨年3月より投入された新型車両E331系と呼ばれる車両なのですが、
使用開始から1週間で不具合が見つかり、使われなくなってしまいました。
しかもドアの位置が他の車両と異なるので、通勤ラッシュ時の整列乗車の際「乗車位置がずれて不便」という事で
土日しか走らなかった幻の電車です。
それから約1年、存在すら忘れかけていた幻の電車が改善修理を終え、京葉線に戻ってきました。
先月末より運転再開へ向けた試運転を行っているという情報を入手したので、復活の勇姿を見に行ってきました。
外房線からの京葉線へ。直通試運転を重ねるE331系(蘇我駅にて)
京葉線内を走るE331系(千葉みなと駅にて)
使用機材:Nikon D300 + AF-S ED80-200mmF2.8D
新型車両E331系の最大の特徴はJR車では初の連接台車を採用した事です。
連接台車とは下の写真の様に車両の連結部に台車を置き、2つの車両で1つの台車を共用します。
路面電車や小田急電鉄のロマンスカーで採用されている連接台車は
● 振動が少ない。
● 台車の数が他の電車と比べて少なくすむ。
● カーブで曲がりやすい。
等のメリットがある反面、1つの台車が支える重量負担が増えるため車両自体を小さく(短く)する必要があると
言われています。これが「10両編成と同じ長さの14両編成」の秘密なのです。
1両あたりの長さは一般のJR通勤型電車(20m)に対しE331系の長さは約7割(14m)程度。
10両編成用の停止位置に停まって、ホームにピッタリ収まるのですが、連結部が多いので錯覚的に長く見えます。
連接台車は車両を持ち上げない限り切り離す事ができません。
それでは日々のメンテナンスや車両の組み替えに不便ということで、ちょうど真ん中の7号車と8号車の連結部のみ
普通の台車が使われ、切り離す事ができる様になっています。
7号車と8号車の連結部(新習志野駅にて)
使用機材:Nikon D300 + AF-S ED28-70mmF2.8D
1カ所を除き、等間隔に配置された台車は「タタン、タタン」と規則正しい走行音で走ります。
また、短い間隔の関節を持つ車両は他の車両と比べてクネクネと不思議な動きでポイントを渡って行きました。
再び試運転に出かける331系(新習志野駅にて)
現在、京葉線には多くの転属車(他の線で使わなくなったお古の車両)が活躍しています。
元中央線の201系(写真左)と元山手線の205系(写真右)
同じ205系でも最初から京葉線用に作られた車両は正面のデザインが異なります。(写真左下)
そして近日中に京浜東北線から209系が転属されるとの情報も。移動の内定が出た京浜東北線209系(写真左)
新車が投入されれば、古い物が消えていく現実。
不思議な新車に早く乗ってみたいと思いつつも、愛着ある国鉄時代の車両にももっとがんばってもらいたいと
思うのはやはり難しい事なのでしょうか?