その1　ファーストインプレッション

ハービーさんに憧れて写真を始めた「さく」さん。
ある日田舎のおじいちゃんから届いた荷物の中に、
不思議なものを見つけました。

さく「・・・箱？」

よく見るとレンズが付いています。

カメラであることは分ったものの、使い方が分りません。
さくさんは「先生」と呼んで尊敬している近所のおじ様を訪ねました。

さく「先生！助けてください」

先生「そんなに慌ててどうしたの？あれ？ハッセルブラッドじゃないか」

さく「先生、このカメラご存知なんですか？」

先生「ご存知も何も有名だもの。買ったのかい？」

さく「いいえ。祖父が野菜と一緒に届けてくれたんです。
　　最近持ち歩く機会が少なくて勿体ないから、お前が使えって。
　　でも使い方がさっぱりで・・・」

先生「それで僕のところに」

さく「お願いします！」

先生「よし！では早速カメラを見てみよう」

さく「レンズは見えているのですが・・・」

先生「ファインダーはどこか分るかな？」

さく「んー・・・あっ！ここですね！」

みえないなぁ

先生「なかなか・・・斬新な構え方だね・・・でも残念！
　　ここをあけてごらん」

さく「あ、畳んであったんですね。・・・あれ？四角い」

先生「6×6（ろくろく）フォーマットといって、さくちゃんが普段使って
　　いるカメラとは使用するフィルムも違うんだよ。
　　フィルムのことは今度説明するとして・・・何か気づかないかな？」

さく「んー。明るいことですか？」

先生「それもあるけど、もっと画面を良く見てごらん。
　　いつもと何か違うはずだよ」

さく「んー。違うところ・・・？違うところ・・・あっ！逆です！」

先生「そうだね。左右が逆になっているね」

さく「これで写真撮るんですか？見たいところに上手く合わせられません」

先生「初めはね。でもきっとすぐに慣れるから大丈夫」

さく「ボディも重いし、平気かなぁ・・・」

先生「カメラは楽しむものなんだから。もっと気楽に」

さく「頑張ります・・・」

先生「緊張してるなぁ。もっと気楽に♪
　　さあ、今度は構え方や基本的な使い方を覚えよう」

さく「はい、先生！」

その2につづく・・・

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　by.さく＆あ～る