私がカメラを始めたきっかけ Vol.8
-私がカメラを始めたきっかけ-
さて、「私が愛してやまないニコン」、の切り口で
いつも記事を書かせていただいておりますが、
もっとも私が最初に手をしたカメラは、
今所持しているD850などとは似ても似つかない、
さらにはメーカーはニコンでもない、
非常にコンパクトなカメラだったのです。
私は平成に生を受けました。
私が物心付いたころに周囲にあったカメラといえば、
デジタルカメラがほとんどで、
フィルムカメラなどは「写ルンです」程度しかしらない世代です。
カメラを始めたのは、いまからだいたい7年ほど前でしょうか。
当時、高校生だった私は、写真とはエンもユカリも無く、
美術部に所属していて、淡々と油絵を描いておりました。
そんな中で私がカメラに興味を示したきっかけといえば、
おそらく、他校に通う、旧来の友人が、高校入学を機に写真部に
入部したことからだと思います。
彼が入学と同時にご両親から譲られたカメラは、
CanonのEOS kiss X5で、Canon特有の、流れるようななめらかな
フォルムと、それでいて「一眼レフらしい」メカニックな質感が、
健全な高校男児であった私の心を大きく魅了しました。
しかし、アルバイトをしているといえど
高校生にとって一眼レフは高価なものであり、
おいそれと手を出せる趣味ではない、
という印象がありました。
しかし結局、それでもやっぱりカメラが欲しい!
バイト代を捻出して、少しずつ貯金し、
ついに購入したカメラが、「PENTAX Q」でした。
Dマウントレンズ<16mmシネカメラ用のレンズ>を
装着したPENTAX Q
貼り皮も通常色から変更しております。
横に置いてある薄いレンズは07 MOUNT SHIELD LENS
前述の部分だと、どう考えても一眼レフを選択するようなところ
ですが、なぜ私はこのようなコンパクトなミラーレスを選択した
のでしょうか。
理由は二つあり、ひとつは、私には姉がおり、
姉が既にEOS kiss X5を持っていたので、同じ機種はイヤだという
謎の対抗心から。
もう一つは、やはり、このPENTAX Qのデザインに魅了されたのです。
購入したのは、01 STANDARD PRIMEと、02 STANDARD ZOOMの2本が
セットになっている、ダブルレンズキット。
購入してからしばらく、私はこのカメラシステムに
くびったけになり、カタログを繰り返し眺めたり、
名前をつける勢いでかわいがっておりました。
(本当に名前をつけていたかもしれません。)
搭載されている多種多様なフィルター効果や、
大きさがコンパクトで持ち運びが苦にならなかったこともあり、
多くの時間をPENTAX Qと共にすごしました。
また、このカメラは私自身が持つ「オタク性」とうまくかみ合って
しまい、そのうち、マウントアダプターを使った撮影などを
始めてしまったのでした。
そのように、カメラについて、偏屈で語りたがりな私が形づくられて
行きました。
買いあさったDマウントレンズとPENTAXの小さな
コンパクトフィルムカメラ、Auto110用のレンズ。
需要が無いので、様々なお店で安価に
投げ売りされておりました・・・。
今現在、私の家にはいくつかのカメラがありますが、
実はその中には、既にPENTAX Qはありません。
別の、カメラを始めたがっていた知人に、システム一式で譲って
しまったからです。
「あんな事を書いていたわりには薄情だ」と思われてしまうかも
しれませんが、私自身の中では、PENTAX Qを使って得た知識が
確かに息づいており、私の写真生活の経験の一つとなっています。
家にあるHDDを整理していると、鮮やかな高校時代の思い出が、
PENTAXの鮮やかな色と共に、まだまだ眠っております。
のちに購入するK-30を一緒に置いた写真。
PENTAX Qにはなぜか日本光学製のズームファインダー
が装着されております。
このお仕事をさせていただいていると、たまに、
PENTAX Qシリーズのカメラがちょこんとショーケース
の中に並んでいるのを目にします。
そのたびに、私の記憶に紐付けられた、PENTAX Qで撮影した
カットが再生され、懐かしくも、いとおしい気持ちに
なるのでした。
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