秒24コマの軌跡
「映画」
1秒間24コマの画、その連続による残像が描き出す世界。
サイレントからトーキーへ、
フィルムからデジタルへ、
技術の目まぐるしい変化の中、様々な「名作」が生まれました。
その「名作」と一緒に撮影機材も時代と共に変化してきました。
フィルム撮影からデジタル撮影へ、DVテープ収録からSDカード収録へ、
カメラのサイズも様々に変化しました。
そして、現在は小型軽量なミラーレスカメラによる動画撮影が主流の時代です。
このブログでは、「どうやったら良い動画が撮れるのか」「一人でも映画を撮るにはどうすればよいのか」をテーマに
機材レビューだけに限らず、様々な視点から動画撮影をサポートするシリーズにしたいと思います。
Vol.0の今回は、自己紹介とメインカメラについてです。
ブログのトップ、ビデオカメラを覗いている写真は、私が学生の頃、自主制作映画の撮影を担当した時のメイキングです。
その当時の使用カメラは【Panasonic AG-HVX200】
P2カードへのDVC PRO HD 720/24P収録などができるカメラで、先代の【AG-DVX100】シリーズから使い続けていました。
24コマでの収録とシネライクガンマ。この二つの要素が当時のビデオカメラ業界に及ぼした影響は計り知れません。
「ハンディカムクラスの民生機で映画が撮れる。」
このカメラで数多くの自主制作映画を撮影しました。
たくさんの映画を観て、色々な撮影監督の創り出す画を参考にしました。
「暗殺の森」で観た、色が画面に与える心理的な影響。
「地獄の黙示録」で観た、1シーン内で時間の経過を表現した外光照明の素晴らしさ。
「マーヴェリック」で観た、豊かな金髪を立体的に、かつ魅力的に見せる逆ライト。
素晴らしい画面を創り出す撮影監督に憧れて、自分も映画撮影の仕事をしていました。
いまはマップカメラでお客様のイメージする写真や動画の「創造」をサポートする仕事についています。
映画への興味や情熱は今もなお燃え続け、
あの日観た「映画」を目指した映像作りを始めました。
現在の相棒は「Blackmagic Design」のBlackmagic Pocket Cinema Camera 4K
通称「BMPCC4K」
フィルム撮影が主流の時代、カメラは、今想像するよりもはるかに巨大で重たいものでした。
「デジタルシネマ」が製作の主軸となった現代においても、「映画を撮れるカメラ」は巨大で、高価なもの、それは変わりませんでした。
「個人が扱えるような代物ではない。」
それが今までの常識でした。
それを覆したのがこの「BMPCC4K」です。
現在主流のミラーレスカメラとほぼ同じくらいのボディサイズ。
搭載しているセンサーはフルサイズ4/3HDRセンサー、マウントはMFTマウントです。
13ストップのダイナミックレンジと、最新のBlackmagic Designカラーサイエンスにより、
シネマカメラに匹敵するクオリティの映像をキャプチャーすることができます。
初めてこのカメラのサンプル映像を観たときに、私は気付きました。
「AG-DVX100の時と同じだ!これは映画が撮れるカメラだ」
このカメラと出会えたことが、このブログを作るきっかけになりました。
Part0の今回はテストフッテージとして、短い動画を撮影しました。
使用レンズはVoigtlander NOKTON 25mm F0.95
撮影設定は
CODEC→Blackmagic Raw ConstantBitrate 8:1
RESOLUTION→4K DCI 4096×2160
FRAME RATE→24fps
因みに、今回の動画はカラーグレーディングに関しては、ほぼ無調整。
つまり、撮って出しの画です。
ダイナミックレンジや、収録ビットレートに優れたカメラの基本ポテンシャルの高さが伺えるかと思います。
ここからさらに、自分の思い描いたルックに合わせるために「カラーコレクション」・「カラーグレーディング」を施したりもします。
これからは、カラーグレーディングに関する情報なども、お届けできればと思っています。
今後は、メーカーやジャンルに囚われず、
様々なカメラ、様々なレンズを通して、
「どうやったら良い動画が撮れるのか」「一人でも映画を撮るにはどうすればよいのか」
このテーマについて深く掘り下げて行きたいと思います。
次回の更新をお楽しみに。
それでは、また。