ある日出社すると、コリドラス氏がすーっとこちらへやって来て、手元に何かがどすん。
置かれたものに目をやると、渋い赤色ジャケットをまとったNikon「 F3 T 」でした。

フィルムカメラを最後につかったのは4年ほど前にもなるでしょうか。
今回コリドラス氏の愛機のひとつを貸していただいたのです。

さっそく触ってみましたが、記憶がおぼろげで感覚が全然もどってきません。
久しぶりのフィルム充填も、いかにもあやしい。
電源がどこにあるかも迷うという状態だったので、ひととおり説明を受けて大事に抱えて家に帰りました。

雨の休日を二回跨いでくやしい思いをした後、ようやく晴れた休日。
黄色地に黒ロゴのストラップなので、ちょっと意識してうす黄色のTシャツと黒いずぼんを履いてみて、出発。

さてファインダーをのぞいて感動したのは、ピント合わせのしやすさ。
狙い目のずれがぴたりと収まる様子がとても見やすい。
「これ、赤く光ってピピっていってくんないやつだもんなぁ」
と自信のなかった私にも、使いやすかったです。
かなりの炎天下でしたが、日焼けも暑さも忘れて楽しく撮影できました。

日が暮れた頃フィルムもちょうどおしまい。
さっそく現像。しばし待つ。
あれはどういうふうに撮れているかなとにやにやしたり、今日見た風景を思い浮かべたり。

そういえばこの「待つ時間」も、写真のわくわくするひとつだったことを思い出しました。
さて次はどこに行きましょう。

使用機材
Nikon F3 T(チタンカラー)
Nikon Ai 50mm F1.2S