『Leica M Monochrom』

名前の通り、モノクローム写真しか撮れない。

潔さ。

よくぞライカはこのカメラを製品化してくれたと思う。

モノクローム写真を愛するものにとって、これ以上のデジタルカメラは無いと言っても過言ではない。

ライカである事を主張しない漆黒の外装。

Leica M typ240の登場により、いよいよライカもCCDからCMOSへ。

モノクローム専用設計のCCDセンサーを搭載した本機は、

長いライカの歴史においても、特異なモデルとして記憶されるだろう。

筆者自身もライカにモノクロフィルムを詰め、楽しんできた。

フィルムにはフィルムの良さがある事は重々承知の上。

それでも今、モノクロ派の貴方に改めてLeica M Monochromをオススメしたい。

一般的なデジタルカメラに搭載されたモノクロモードで撮影した写真とは明らかに違う情報量。

ベイヤー構造のカラーフィルターを通過した光を補完し、変換する通常のカメラで抜け落ちてしまう情報が、このカメラには写る。

M Monochromはカラーフィルターを搭載せず、1つの画素が各々で“純粋に”光の強弱を記録している為だ。

ライカが「正真正銘の」モノクロ写真と表現していたのにも頷ける。

.DNGで撮影したファイルを、付属のLightroomで丁寧に現像する行為は、

暗室に篭って行なうネガフィルムの紙焼きを思い起こさせる。

まるで上質なモノクロームフィルムを扱っているような錯覚。

発売から今に至るまで、お取り寄せ商品となることが多かった本機。

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(文責/写真：R.Hirokawa)

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