【Nikon】高性能フィルター『ARCREST』使用レポート
ニコンから発売されている高性能レンズプロテクトフィルター『ARCREST(アルクレスト)』。
近年、デジタルカメラの高画素化に伴いレンズフィルターに求められる要求も高くなっており、フィルター各社からも高性能を謡うフィルターが多く発売されています。
ニコン純正フィルターの実力はいかに?早速、話題のフィルターを使ってみました。
まずは、カタログスペックから「ARCREST」の優れた性能を見てみましょう。

ニコン独自のテクノロジーで、420nm~680nmの可視光域で片面設計値約0.1%に近づけた超低反射率の多層膜ARコート(反射防止コート)「ゼロワンARコート」を採用し、ゴースト・フレアの発生を低減。
フィルターを装着することで生じるレンズ本来の描写力の低下を最小限にとどめ、コントラストが高く階調豊かな映像表現が可能に。
また、新たに開発した高精度な研磨技術によって極めて高い平面精度を実現。
さらに、ニコン独自開発のフレームへのマウント技術「フラットプレーンシステム」により、ガラスにかかる負荷を大幅に軽減してガラスの歪みも最小限に抑え、フィルター有効径の約85%のエリアで、透過波面精度がλ/4以下の精度に収まるよう設計されています。
少し難しい解説で、いまいちピンとこない筆者が注目したのが、NIKKORレンズにも使われている高品質な光学ガラスを採用しているという部分。
約2mm厚のガラスで安心の強度を発揮するというのは心強い限りです。
フィルターの厚さも約3.4mm(95mm径のみ3.9mm)と、従来品より薄くなりました。
おかげで、超広角レンズ使用時もケラレの心配がありません。
フィルターフレーム表面にはキズに強いブラックアルマイト処理が施されているので強度面の心配も無用です。
ツヤ消しブラックが、高級感を醸し出します。また、ローレット加工により指がかりがよく、着脱もスムーズです。
疑り深い筆者は、優れた撥水・発油コートも試してみました。
左が「ARCREST」、右が他社製の撥水・発油保護フィルターです。
少し傾けたフィルターに水滴を垂らしたところ、ARCRESTの方が素早く水滴が流れ落ちていきました。
同じ撥水・発油でも表面が滑らかな分、水の滑りが良いように感じます。
余談ですが、古いフィルターは磨いていても、濡らして強い光を当てるとあまり綺麗ではないですね。
これは新しいフィルターへ買い替えるサインかもしれません。

同様にペンでなぞってもご覧のとおり。同じ発油でもペンから出るインク量を抑えているかのようです。
絞り:F5.6 / シャッタースピード:1/400秒 / ISO:100 / 使用機材:Nikon D5 + AF-S 24-70mm F2.8E ED VR(左:+ARCREST / 右:フィルター無し)
フィルターの装着時と非装着時での撮り比べもしてみました。
拡大画像を見ても目視では、フィルターによる影響を感じることはできません。
絞り:F4 / シャッタースピード:1/800秒 / ISO:100 / 使用機材:Nikon D5 + AF-S 24-70mm F2.8E ED VR(+ARCREST)

絞り:F4 / シャッタースピード:1/800秒 / ISO:100 / 使用機材:Nikon D5 + AF-S 24-70mm F2.8E ED VR(フィルター無し)
フィルターの脱着を繰り返すためフードは未装着。そして天候は雨。
ダイレクトにレンズ前面に水滴が落ちてくる条件下の撮影となりました。
使用したレンズ「AF-S 24-70mm F2.8E ED VR」には、汚れが付着しにくいフッ素コートが施されており、フィルター同様、雨粒はすぐに流れ落ちていきます。
レンズの前面ガラスに施された、優れた防汚性能を再確認するという結果でしたが、高価な高性能なレンズだけに余計大事に使いたいという思いに駆られ、ますますフィルターの必要性を再認識することとなりました。

レンズ本来の描写力を極力損なわない高性能保護フィルターとして、あらゆる点にこだわって光学性能を高めている高性能フィルター。
一目でニコン純正と感じることができる、ボディやレンズと統一感のある金箱も嬉しいポイントです。
他社製の高性能フィルターと比べても、少々お値段が張る商品ですが、実力は折り紙つき。
ニコン好きの私は、お布施のつもりで購入決定です!