高画素機で撮るモノクローム
昨年、2017年はニコンのD850、ソニーのα7RIIIなど高画素でなおかつ高性能なモデルが相次いで登場し盛り上がりました。
ところで高画素の機種について、
「センサーが高精細すぎて半端なレンズでは粗が目立つ」
「センサーの性能をフルに活かすためにはレンズも高性能なものを使わなければならない」
などと言われることが多いと思います。
では高画素の機種で気軽に撮影はできないものか、できるだけ軽快に撮影を楽しめないものか検証しようと思います。
今回使用した機材は、
Nikon D800E
Voigtlander ULTRON 40mm F2 Aspherical SL II
いずれも現行品ではありませんが、D800Eは有効画素数36.3 メガピクセルと現行機種に負けない画素数を誇り、
レンズのULTRON 40mm F2 Aspherical SL IINは現行機種と比べると最短撮影距離は長いですが、
全長24.5mmとパンケーキレンズと呼ぶにふさわしい薄さになっています。
レトロな雰囲気の駄菓子屋のそばにあった電灯です。
高画素機の魅力として、その高精細な描写により被写体の質感が手に取るように感じられる点があります。
最新のレンズではよりシャープに隅々まで描写してくれると思いますが、
このレンズはディティールを残しつつやわらかく描写しています。
初詣に寄った神社の境内にある狛犬の彫刻です。
時代を経た木材が醸し出す質感が伝わってくるようです。
狛犬の顔を拡大してみました。
ここまで拡大してもディティールは失われず、かつ柔らかく描写されています。
「おまえは何をしに来たんだ?」と言わんばかりの表情に圧倒されてしまいます。
同じく寺の境内にある木彫りの彫刻が彫られている壁です。このお寺はこの木彫りの壁が有名です。
中央上の二人をほぼ等倍に拡大してみました。
木の線の一本一本までしっかり描写されているのがわかります。
最新のレンズではもう少しシャープさが増してシャキッと写ると思います。
それらと比べてこのレンズは線が細い、というか柔らかいという表現が合うと思います。
いかがでしたでしょうか?
どうしても最新の技術を使ったレンズには及ばない部分はあります。
特に先に述べた「高精細な描写を楽しむ」という点では物足りない、と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
そしてそもそもマニュアルレンズですからスピーディな撮影はなかなか難しいです。
しかし高性能のレンズは単焦点を除けばたいてい重く、大きいです。
今回使用した機材はボディ、レンズあわせて1㎏程度です。
この大きさ重さでこれほど濃密な写真が撮れるのですから軽快に撮影したい方にはお勧めです。
なお、現行のULTRON 40mm F2 Aspherical SL II Sは少し直径が長くなりましたが、
最短撮影距離が25㎝まで寄れるようになっています。
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