SONY人気の標準単焦点を撮り比べ(Part2)
SONY人気の標準単焦点を撮り比べ(Part2)
前回に引き続き、標準単焦点の撮り比べをご覧ください。SONY純正の標準域は、「FE 50mm F1.8」 「Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA」 「Planar T* FE 50mm F1.4 ZA」の3本がラインナップです。値段がそれぞれ、¥27.650 ¥86.760 ¥167.670と松竹梅のように上がって行きます(2018年8月29日時点での値段です。)
性能だけを見ればPlanar50mmがベストですが、簡単に買えるような値段とはお世辞にも言えません。解像力を優先しているので、その分重量は少し重たく感じます。その場合は解像力が劣ったとしても50mm f1.8を選んだほうが軽快さを優先した設計なので、気軽なスナップ・散歩撮影の強い味方となります。時と場合によってレンズ選びの重要視する部分は変わると言えます。
今回の様な試写作例をご覧になって、求める性能のレベルと値段を照らし合わせて、ご自分の用途に一番合うレンズを選んで頂く「手助け」になれれば幸いです。
では、試写作例の続きをご覧ください。
「FE 50mm F1.8」f/3.5 1/2500
「Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA」f/3.5 1/2500
「Planar T* FE 50mm F1.4 ZA」f/3.5 1/2500
JR中野駅前、中野サンプラザ前広場のからくり時計を撮影しました。9時~18時の毎正時に演奏が流れるそうです。3枚を見比べた結果、Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZAは他の2本と比べて5mm分アップなので時計部分、太陽の顔が少し楕円に広がって見えると思います。色味については太陽の黄色部分の出方が55mmはやはり寒色系に転んで見えます。
FE 50mm F1.8は他の2本と比べて、太陽の顔部分のディティール感(彫刻のような所)が劣って見えます。レンズの持つ解像力の違いが細かい線だと確認しやすいと思います。 向かって右奥、中野サンプラザの窓枠や直線部分はPlanar T* FE 50mm F1.4 ZAの周辺部までの解像力の高さが顕著に分かる部分です。
「FE 50mm F1.8」f/3.5 1/800
「Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA」f/3.5 1/800
「Planar T* FE 50mm F1.4 ZA」f/3.5 1/800
この写真では画面右下の道路部分、線路と壁画の境界部分のコンクリートのディティールがレンズ性能を見るのに分かり易い部分だと思います。特に顕著なのはFE 50mm F1.8で右下部の道路を見ると、かなり流れているのが分かります。それと比較するとPlanar T* FE 50mm F1.4 ZAは中央部においても他の2本より解像力の高さが際立ちます。壁画の塗料の筆跡や、描かれた壁自体のディティール、これらの再現性の高さは流石の一言に尽きます。
全2回に渡っての試写作例は如何でしたでしょうか? 標準単焦点の3本は、それぞれに違った「個性」を持つレンズであることが分かりました。写りの違い以外の点においては、AF性能の違いも顕著に分かりました。FE 50mm F1.8は3本中一番AF速度は遅く感じました、「ジー、ジー」と前後に探る動作はかなり「ゆったり」としたAFと言えます。他2本はキビキビとした印象のAFなので狙った瞬間をあまり逃すことは少ないと思います。
ピントリングの粘りは個体差もあるとは思いますが、Planar T* FE 50mm F1.4 ZAが程よいトルク感を持ち、MF操作時でも合わせやすいと感じました。持った時のホールド感は個人的にはSonnar T* FE 55mm F1.8 ZAが一番良く感じました。手のひらの大きさにも個人差はありますが、私の手には細身で、かつ少し長めの55mmが一番しっくりきました。
触る、覗く、写してみる。色々な要素がレンズ選びには絡むのだと改めて実感したテスト撮影でした。今回はSONY純正レンズ内での比較テストでしたが、またの機会にサードパーティー製のレンズも比較してみたいと思います。
マップカメラ本館5階ではSONY純正は勿論、サードパーティー製のデモレンズも各種ご用意が御座います。是非とも「実際に」触って、覗いて、写して。思う存分試して頂ければ幸いです。
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