【SONY】強くてニューゲーム
愛らしい容姿と、美しい囀り…。
被写体として、小鳥ほど魅力のあるものはなかなか無いのではないでしょうか。
とはいえ撮影難易度は非常に高く、「作品」を撮ろうとすると多大な努力を要します。情報収集から始まり、なわばりの位置特定、さらには目当ての鳥が現れるまで何時間も粘ったり…。
どちらかというと筆者は「歩きながら小鳥を探し、見つけたら撮る」というお手軽撮影派です。なので今までは愛機の一眼レフに70-300mmのズームを装着し、ライトに野鳥撮影を楽しんでおりました。
ですが、その装備では豆粒みたいな大きさにしか写りません。オートフォーカスもなかなか決まらず、いつも歯がゆい思いをしてばかり。
軽くて良く写り、AFもバッチリ決まる。さらに使用感も良いカメラはないかと、ずっと探していました。
そんなニーズに応えるカメラが、SONY α9です。
今回は、超望遠レンズの「FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS SEL100400GM」に「2x Teleconverter SEL20TC」を装着。
焦点距離800㎜、F11という状態で撮影に挑みました。
AF設定は、以前ご紹介したこちらの記事を参照しています。
基本的には「拡張フレキシブルスポット」を使用し縦横無尽に枝の上を飛び回る小鳥を追います。
もしAFが抜けてしまった場合は、直ちに測距点を中央に戻し再度フレーミングし直す事で、可能な限りシャッターチャンスを逃さないようにしました。
さて、実際にフィールドテストをしてみると…。
あっけないほど簡単に、シジュウカラが撮影できました。
800㎜でF11でコンティニュアスAF。ちょっと耳を疑うような言葉です。ISO感度は640ですが、細かい羽毛のディテールが潰れていないところを見ると描写性能も相当高いようです。
従来のEVFは、暗所ではフレームレートが下がる為パラパラ漫画のように表示されてしまうことがありました。
勿論α9ならそんなことはありません。
更にブラックアウトフリーのおかげで「連写しながら鳥を追う」事が簡単にできます。
加えて両眼視を使えば、超望遠レンズの狭い視野も怖くありません。左目でぼんやりと鳥を見つつ、右目で構図を確かめる。AFを任せっぱなしにできるα9なら意外と簡単です。
一生懸命木をトントンしているコゲラの可愛い瞬間が撮れました。
日陰から日向へと飛び回る小鳥を追っても、「1200分割ライブビュー分析測光」の制御が優秀なため、露出プレビューの移り変わりがスムーズ且つシームレス。結果的にEVFの見やすさ、動体の追いやすさにも繋がっています。
露出制御がガタつくと、そちらに気が取られてしまい鳥を見失います。超高速で動き回る小鳥を超望遠で狙う事は集中力を要しますので、カメラ側が撮影者を助けてくれることが疲れの軽減にも繋がります。
肝心のAF性能は、スピード・正確さ共になかなかのものでした。
枝の密集した日陰では背景に抜けることもありましたが、その場合はレンズ側のAFストップボタンを使用し大ボケ状態になる前に食い止め、再び中央固定で測距し直します。
復帰速度は速く、次のシャッターチャンスにはたいてい間に合いました。
個人的に気に入ったのは、連写時の電子音。「バラララッ」という軽機関銃のような音がします。男子には堪らない音ですね…。
今回、装備を変えるだけでこんなにも快適に野鳥撮影が出来るのかと感動しました。
今までの苦労は何だったのか。本当に唖然としてしまいます。
しかもこれで「動物瞳AF対応前」のファームです。
ロールプレイングゲームで言えば、ゲーム開始時に最強の装備を持っているようなものです。
フィールドに出た時には、もうすべての野鳥が“写程範囲内”。
「ミラーレス界のゲームチェンジャー」との呼び名も高いα9、あなたも使ってみませんか?
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