ポートレート備忘録 Part3
α9+SEL2470GM SS1sec ISO50
天候が不安定な中、皆様いかがお過ごしでしょうか。
筆者はこんな時こそ雨の日のポートレート撮影を行ってみたいと思い日々機会をうかがっております。
さて今回は第三弾ストロボとスローシャッターを組み合わせたポートレートをご紹介します。
第一弾→カラーシフト撮影について 第二弾→疑似的な夕陽の演出
今回も最後まで読んでいただけると幸いです。
スローシャッターとは、文字通りシャッタースピードを遅くして撮影を行う撮影方法です。
どういったメリットがあるかと言いますと、
・シャッターを長く開ける分ISO感度を落とす事が出来る
・撮り方によっては普段目では見えない光の動きや演出が出来る
他にもあるとは思いますがパッと思いつくのは上記の二点だと思います。
逆にデメリット、難しい点は
・手持ちはほぼブレる(昨今は1秒くらいならブレないカメラも一部あります)ので三脚が要る
・被写体が動く場合の撮影は難しい(上記理由とほぼ同じでブレます)
簡単に記載しましたが、こういったメリット・デメリットを理解し撮影すると凄く写真が楽しくなります。
では、本題に戻ります。
今回このスローシャッターの設定にストロボを組み合わせてスローシャッターでありながら、被写体のブレを限りなく止める方法をやっていきます。
まず設定ですがカメラ側はISO50/SS1秒で設定しました。そして今回は背景に動きを付けるので手持ちです。
そして、ストロボの設定はGN60相当のストロボで24mmの照射角にソフトボックスありで1/2に設定しました。
更に、発光の設定を後幕シンクロ(リアシンクロ)にしました。
これはシャッターが閉じる直前にストロボを発光させる設定です。一般的なストロボの発光は先幕でシャッターが開いた瞬間に光ります。
早いシャッタースピードだと大きく差は出ませんが、スローシャッターだとここが結構大事なポイントになります。
●←これが光る球だとして、-が1秒ごとに付く光跡とします。(進む方向は左から右へ)
先幕だと(SS5秒の場合)
●――――→ こう写ります。
後幕だと(5秒後にストロボが発光)
――――→● こう写ります。
この効果を利用して、ポートレートを撮って行きます。
撮影環境ですが、他の光源がありそれが被写体に当たるとその部分はブレて写るので可能な限り人物はブラックボックス(カメラで見て真っ暗の状態)が望ましいです。
撮影の流れですが、まず最終的に撮りたい構図にカメラをセットしAFを取った後に動かしたい方向にカメラを傾けたり、ずらしたりします。
後は、そのままシャッターを切り最初に決めた構図の位置・向きまでカメラを振ります。モデルさんにはあらかじめ何秒止まってくださいとお願いしておくとスムーズかと思います。
いかがでしたでしょうか。ストロボがあれば止めたい位置で発光させ止めて写すことが出来ます。
気になった方は是非試してみてください。
今回の備忘録、こちらで最終回とさせて頂きます。
また皆様にお伝え・共有出来るようなお話を提供できればと感じております。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
最後に表情差分をこちらに、ではまた。