今回ご紹介するのは、こちら。
Rollei ローライコード II(カールツァイス トリオター 75mm F3.5)です。
ローライフレックスから巻き上げ機構などを簡素化し、普及モデルとしてローライコード I が登場したのが1933年。
本家ローライフレックスに対し、アールデコ調の外装をまとった工芸品のようないで立ちで、「金ぴかコード」の愛称で人気を博しました。
その後、1977年まで生産されたコードの最終型ローライコードVbまでのおよそ44年間に、搭載レンズや操作性などのマイナーチェンジを繰り返しながら実に多様なモデルが存在しました。
今回のローライコードIIは、1936年から1950年と長きに渡って生産されましたが、シリーズ中でも最もマイナーチェンジが多く、実に6つのバージョンが存在します。
搭載レンズが、初期の頃のカールツァイス社製トリオター75mmから、戦後の第5モデルでシュナイダー社製クセナー75mmに変更されるという大きな仕様変更もありますが、あとは撮影レンズにバヨネットが付いたとかビューレンズにもバヨネットが付いたなど細かなもの。ここで全て書き出すことは、省略いたします。
さて、写真の機体ですが、こちらは第2モデルに当たるもの。特徴としては、先に言いました撮影レンズのみにバヨネットが付いたことと、銘板のデザイン。
そして、この銘板デザインこそが私のこだわり。
実は第2モデルまでが、初代「金ぴかコード」と同じアールデコ調の字体になっています。第3モデル以降は、最終ローライコードVbまで続くレリーフ状のもの。
なんともレトロなデザイン、クラシカルなボディにピッタリです。
ローライフレックスやこの後のローライコードも持っているのですが、この銘板のデザインに惹かれ、探し続けて手に入れた1台です。
フィルム装填1枚目を赤窓で確認しなければいけなかったり、なによりファインダースクリーンが暗く「井戸の底を覗くよう」と比喩されるような状態でピント合わせをしなければならないなど、正直使いづらいったらありません。
…でも、そこはそれ。
使いづらいぶん、じっくりゆっくり撮影に取り組め、1枚1枚の撮影を存分に楽しむことが出来ます。(…と、思うようにしています。)
搭載されたトリオター75mmは、3枚構成のレンズ。テッサータイプのクセナー75mmのかっちりとした写りに較べ、絞り開放時は周辺が渦を巻いたように流れるなどクセのある描写をします。
…でも、そこはそれ。
柔らかな雰囲気を持った優しい描写は、銘板のデザイン同様、なにか気品のようなものを感じます。
絞り開放。 写真上部が流れています。奥の方のそろばん玉状のボケも特徴の1つ。
多少絞ると、カッチリ写ります。
ピント面の浮き上がりも良い感じ。
柔らかな描写は、花などの撮影にもいいかも。光源の玉ボケも楽しいです。
勿論、クセナーレンズのローライコードや、ローライフレックスもおススメ。
お気に入りの二眼レフを提げて、お散歩に繰り出してみては?!