【Carl Zeiss】中望遠の近所【SONY】
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SONY (ソニー) α7Ⅲ ボディ ILCE-7M3
Carl Zeiss (カールツァイス) Batis 85mm F1.8(ソニーE用/フルサイズ対応)
2018年2月に発売され、今でも根強い人気を誇るSONY (ソニー) α7Ⅲ ボディ ILCE-7M3にCarl Zeiss (カールツァイス) Batis 85mm F1.8(ソニーE用/フルサイズ対応)の組み合わせです。
こちらは2015年8月発売。
85mmといえば所謂ポートレートレンズと言われている中望遠レンズ。
スナップではどのように切り取れるのでしょうか。
日頃スナップでは35mm,50mmを常用している私には新鮮な焦点距離です。
レンズ構成は8郡11枚のSonnar設計。
Sonnarといえば私はヤシカコンタックスマウントの85mmF2.8、ソニーEマウントでは55mmF1.8と35mmF2.8を所有していますが、総じて切れ味が良く、誇張しすぎない気持ちの良い描写をする印象です。
Carl Zeiss (カールツァイス) Batis 85mm F1.8(ソニーE用/フルサイズ対応)はどのよな描写を見せてくれるのかとても楽しみです。
天候に恵まれていなくてもいい感じに写ってしまう。それが良いレンズとでも言いましょうか。
この日は見事なまでの曇り空でしたが、そのような重い空気を感じさせない描写を見せてくれました。
ハイライトの粘りも好印象です。葉の薄さや重なった部分の階調がとても気持ち良いです。
秋が深まれば深まるほど色づき鮮やかな景色を見せてくれる。そんな秋の足音をかすかに感じながら、頭上を見上げます。
F値開放での1枚です。
私にとって秋といえば、珈琲です。この季節はアイスもホットも楽しめる季節ですし、どちらにしようか悩むのもまた一興。楽しい時間が増えます。
この日はまだまだ歩けば暑い、そんな気候でしたのでアイスを即決。
開放値におけるピント面の解像感には驚きました。
手前へはもう少し滑らかにボケてくれると非常に嬉しいと思いますが、ボケにざわつきは少なく、奥側へのボケ方においてはカップのフタや縁へ向かう表現を見ても分かるように、滑らかで気持ち良いです。
カップ表面の結露をここまで解像しているとは本当に驚きです。
プラス1/2段ほど補正していますが、それ以外は撮ったそのままです。
晴れ間が出てきました。
モノクロでの表現も優秀です。
それにしても落ち葉や木肌の描写が気持ち良いくらいシャープです。
何度も言ってしまう程、写真を見る度にそのシャープさには感心させられます。
光ファイバーに埋もれた葉っぱのように見えて可愛かった1枚。
撮ったそのままです。
こちらはRAW現像済みです。
少しコントラストを高めています。表面の光沢感がつるんと、とてもよく表現できていると感じます。
ひと口に緑といっても表情は様々です。スナップしていて面白いと感じるポイントのひとつ。
F8.0まで絞りました。
手前の大きな木の描写もそうですが、奥にみえる木々のもこもことした立体感も素晴らしい。
曇り空とは思えないすっきりとした描写でとても頼りになるレンズです。
コンクリートなどの固いものの描写も気持ちが良いです。
人物を撮ってもカラーバランスは安定していてボケ味も良く、RAWデータも扱いやすかったです。
AFは気になることなくスムースですし、軽量で防塵防滴シーリングも施されているというのもうれしい点です。
ごくたまに瞳からピントを逃してしまうショットがありましたが、それは撮り方を工夫することでリスクを減らしていく方が良さそうだと感じました。概ね良好な動作でした。
画角が制限されているおかげで主題を明確にしやすい反面、周辺や背景との調整が疎かになりがちでした。構図を考える良い勉強になりました。
総じて、筐体としてもデータとしても非常に扱いやすいレンズだという印象です。
描写は期待値以上のものでした。嫌味なく誇張しすぎない描写が好印象でした。もちろんシャープで気持ちの良い抜けの良さも感じました。
私の中でSonnarへの思いがより一層深いものとなりました。
ソニーにはSONY (ソニー) FE85mm F1.4 GM SEL85F14GMやSONY (ソニー) FE85mm F1.8 SEL85F18と人気の85mmレンズがいくつもあって非常に悩ましい選択になりそうです。
ISO100 F8.0 1/100秒