銀塩写真列伝 Kodak PORTRA 400編
銀塩写真列伝 Kodak PORTRA 400編
皆様、フィルムはお好きでしょうか。
筆者はフィルム写真を始めたとき、このフィルムはどんな写りをするのだろう。と雑誌やネット記事等いろんなものを読み漁りました。
好みのものを見つけては試写し、前回使ったものとここが違うと一喜一憂したりと大変楽しかった覚えがあります。
今回の「銀塩写真列伝」ではそんなフィルムに焦点を当て、各フィルムの特徴などを作例とともに紹介し、フィルム選びの助けとなることを目指しています。
世の中には期限の切れたフィルムを含めたくさんのフィルムがありますが、今回の連載ではマップカメラでお求めいただけるものに焦点を当てご紹介してゆきたいと思います。
例年はシルバーウィークでにぎわう頃ですが、今年は4連休となりました。
今年は一味違った過ごし方になるかと思いますが、フィルム入門の方も、すでにお使いの方も楽しんでいただければ幸いです。
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さて、今回はKodak PORTRA 400をご紹介します。
世界最高の粒状性を持つKodakのプロフェッショナルフィルムのうちの一つです。
PORTRAシリーズは現在160、400、800と3種類ありますが、その中でも400という使いやすいISO感度で人気のフィルムです。
温かみのある色合い、落ち着いた色調で撮影の対象を選ばず、普段から持ち歩くのにもお勧めのフィルムです。
PENTAX 67 + SMC67 90mm F2.8
このフィルムは大のお気に入りで、筆者は家に沢山ストックしています。
柔らかな青の発色が綺麗で、空を画角内に収めた開放感のある風景にはピッタリのフィルムであると思います。
写真ははPENTAX67にSMC67 90mm F2.8をつけて撮影したものです。
ズシリと重いカメラで持ち歩くのにもひと汗かきますが、現像から帰ってきたネガを見ると感無量の心地でした。
フィルムカメラを使ってゆったりと撮影するプロセスに魅力を感じて使っていますが、出来上がりも満足できるものだったときには楽しさも倍増します。
PENTAX 67 + SMC67 90mm F2.8
江の島橋の上からうねる水面を収めました。
筆者は海を見に行くことが好きで、このフィルムを携えよく散歩に出かけます。
突き抜けるように広く、青く、何も考えずに無心でシャッターを切るのが心地よく、癒しを得たいときに訪れます。
その際にこのフィルムを選ぶ理由は、描写や階調表現にあわせて、淡く優しい表現が得意なフィルムであるからです。
どこか情緒的でプリントした写真を見るたびに訪れた時のことを思い出します。
Leica M4 + ズマロンM 35mm F2.8
この写真以降はLeica M4 とズマロンM 35mm F2.8にて撮影したものです。
夕日が落ちだんだんと暗くなってくるころ、暗部にざらつきが見えますがこれもまた魅力的です。
夕日が反射し白く飛んでいる中にも階調が残り、飛び込んでも優しく包み込んでくれるような雰囲気があります。
泡の滑らかな表現、なだらかな波が落ち着きを与えてくれるような一枚です。
Leica M4 + ズマロンM 35mm F2.8
空に浮かぶ連だこがかすかに見えます。
個人的にはすっきりとした青の表現がとても好みです。
Leica M4 + ズマロンM 35mm F2.8
少しレトロな食器たち。つい写真を撮ってしまいます。
Leica M4 + ズマロンM 35mm F2.8
ガラス越しに陽が射す午後、フィルムならではの階調の良さが楽しめます。
Leica M4 + ズマロンM 35mm F2.8
日常使いにも、旅行にも、記念すべき日にも、一さじの淡い魔法をかけてくれるPORTRA 400、
ひとたび使えば、毎日がより一層色づくに違いありません。