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【タイムズフェス】スタッフの標準レンズ

【タイムズフェス】スタッフの標準レンズ

「標準レンズ」と一口に言った時に、35mmを思い浮かべるでしょうか? 50mmを思い浮かべるでしょうか?
広義の意味での「標準レンズ」で言うなれば、個人的には35mmが標準レンズだと思っています。
空間さえ許せば押し引き自在の焦点距離。広く見せることも切り取ったアプローチもお手の物です。

しかしこれは広義の意味での「標準レンズ」。
世間一般で言う「標準レンズとは?」に対する回答でしかありません。
では狭義の、もっとパーソナルな意味での「標準レンズ」は…??

例えばモータースポーツや、野鳥などをメインに撮影される人に「よく使うレンズは?」と問うと、500mm±100mmくらいの範囲のものが挙がってきます。
逆に建築や広大な風景などを撮る人であれば、20mm±5mmくらいの範囲のものが挙がってきそうな気がします。
ss1/80 F2.2 ISO100
では筆者は…?という内容が今回のお話です。
ちなみにこの問いに対しての私の回答は「65mm」です。しかし数字だけ見るとなんとも中途半端な画角です…。
何故「65mm」なのか?説明には前置きが必要となるため、まずはそのお話からしていきましょう。
ss1/640 F2.0 ISO100

カメラを嗜まれている方なら、ファインダー倍率というワードは誰しも耳にしたことがあると思います。
何やらこの倍率が高いほど良いらしい…といった情報をお持ちの方もいるでしょう。
ではこのファインダー倍率は何を基準とした倍率なのか、どう作用するのかというところをまずお話ししましょう。

ファインダー倍率とは
「ファインダー越しに見える像が、実際に目で見ている像(実像)と比べてどのくらいの大きさになるか」
というものです。
35mmフルサイズセンサーを搭載しているカメラの場合、大体は「50mmレンズが装着されていて、無限遠、視度補正を行っていない初期状態(-1.0)」という条件が加わります。
少し長いので「無限遠、視度補正を行っていない初期状態(-1.0)」の部分に関しては以後省略いたします。
ss1/10 F2.0 ISO800

例えばファインダー倍率が「約0.71倍」と書かれている場合
「50mmレンズを装着している時に、実際に目で見ている像を1.0倍として比較をし、約0.71倍の大きさでファインダー像が見える」という事です。

ではファインダー像と肉眼で見ている像の大きさをイコールにしたい場合はどうしたらいいか?
50(mm)÷ファインダー倍率=x
で1.0倍となる焦点距離を求める事が出来ます。
約0.71倍であれば「50(mm)÷0.71(ファインダー倍率)=70.42(mm)」となりました。

つまりファインダー倍率「約0.71倍」のカメラの場合、おおよそ70㎜くらいのレンズを付けると、ファインダーを覗き込みもう片方の目も見開いた時に「肉眼で見ている像とファインダー越しに見ている像の大きさが(ほぼ)同じになる」ということです。
ss1/160 F2.0 ISO200

画角としては中望遠に差し掛かるかどうか、といった焦点距離になるためもちろん少し手狭に感じてしまう事があるとは思うのですが、それでも肉眼とほぼ等倍で被写体を見る事が出来るというのは、ちょっとしたアハ体験が起こるくらいには面白い体験が出来ます。

同じ焦点距離のレンズをずっと使っていると、ファインダーを覗く前から画角がイメージ出来るという経験は誰しもあると思いますが、ファインダー倍率に対して1.0倍を実現できる焦点距離を持つレンズを付けてあげることで、普段肉眼で見慣れている大きさがファインダーの中にも広がっているのです。

目を焦点距離に慣らすのではなく、焦点距離の方から肉眼視に近づけてやることで、写真を撮る前から仕上がりのイメージを得やすくなるため、イメージを膨らませる訓練にも良いかもしれません。
ss1/4000 F2.0 ISO100

さて、ここまで書いたところで察しの良い方は何故「65mm」なのか既にお気づきかもしれません。
筆者がメイン機として使っているカメラはα7RIIIなのですが、こちらの機種のファインダー倍率は「約0.78倍」となっています。

そして先ほどの計算式に当てはめると
50(mm)÷0.78(ファインダー倍率)=64.10(mm)
となり、65mmの焦点距離を持つレンズを付けると約1.01倍、ファインダー像が肉眼視とほぼ等倍の状態になります。
意図して広角や望遠が必要な時以外は常にこの組み合わせで撮影を行っていますが、撮影に入る前のイメージも作りやすく大半の撮影はこれ一本で行ってしまいます。

ss1/100 F11.0 ISO100
余談ですが、付けているレンズは「MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 ASPH.」です。ハーフマクロレンズとなるためワーキングディスタンスをあまり気にせず撮影が行える点も良い方向に作用している気もします。

ss1/320 F2.0 ISO200
というわけで、肉眼視と等倍の状態を作り出せる焦点距離を持つレンズが筆者にとっての「標準レンズ」でした。
ボディのファインダー倍率にも依存するため全てのケースにおいて「65mm」と言えるわけではないのですが
暫くα7RIIIはお供として使い続ける予定ですので、まだまだ活躍してくれる組み合わせになりそうです。

肉眼視と等倍の状態を作り出すだけであれば、ズームレンズなどを使っても同じことが出来ますので
両目で見る面白さを一度体験してみてください。

今回はこのあたりで。




[ Category:Carl Zeiss & Voigtlander SONY | 掲載日時:20年10月12日 18時19分 ]

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