【Leica】Leicaのある日常 #6
今回ご紹介するのは「ズミクロン M35mm F2 7枚玉」です。
わずか190gの軽量さとコンパクトな鏡筒、レンズ構成が由来の『7枚玉』の愛称で多くのライカファンから愛されてきた銘玉です。
8枚玉、6枚玉に続いて第3世代の7枚玉。
『ニュージェネレーション』とも呼ばれる世代の本レンズは、オールドレンズならではの描写とデジタルカメラとの相性の良さで知られ、発売から40年近く経つ今なお非常に人気の高い1本となっています。
本連載初の『ズミクロン』、長く愛される理由を筆者なりに考えてみました。
写真はM10-Pとの組み合わせでJPEG撮って出し、是非ご覧ください。
ついに再開したラグビー観戦のため埼玉県は熊谷へ
ハイライト部分の白飛び具合、割り切れていて清々しい。
スタジアム名にピントを合わせていますが、手前のモニュメントや歩いている人々の存在感のあるボケ方が気に入った1枚です。
ズミルックスの特徴でもある溶けるようなボケではなく、しっかりと輪郭を残しながらピント面を引き立てるところにズミクロンの良さがあります。
新型コロナウイルスの影響もあり限られた座席数での観戦
改修工事を昨年終えたばかりの座席は汚れや傷もなく美しい青、
ライカ特有の控えめで上品な色合いは「座席」ではなく「シート」と呼ばせる何かがあります。
歪みはなく、穏やかな周辺減光も良いアクセントになっています。
照明で露出を測ったこともあり見事に白飛びしてしまいました。
左下の白い部分の滲み方、ミニチュアのような観客の描き方、好感の持てるクセの数々がこの1枚に詰まっています。
暗部の階調の豊かさはいかがでしょう。
左右の壁面の再現は勿論、男性の着ているラガーシャツの黒と緑も逆光ですが描くことができています。
すれ違いざまの1枚ですが、ピントノブのおかげで迅速かつ正確に撮影することができました。
最後は夕焼けでお別れです。
スナップから広がりをもった画まで、35mm1本で撮影する写真家の方がいる理由が分かった気がします。
例年の秋に比べると少々肌寒い日が続きますが、夕焼けの美しさはいつも変わりません。
高層ビルに遮られず、山々の稜線を望むこともできる、
都会の喧騒から逃れた1日の終わりに思いもよらぬプレゼント。
電車に揺られながら移ろいゆく夕焼けを眺めていました。
最後までお付き合いいただきありがとうございました、また次回お会いしましょう。
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