【RICOH】 Square & Monochrome by GRⅢ
年の瀬を迎えた町。
コートにマフラー、手袋が欠かせない季節。
外套のポケットにカメラをひとつ、手軽に歩きたくなりました。
【RICOH GRⅢ】
「最強のスナップシューター」と名高いGRシリーズ、撮影メニューの中に「ハイコントラスト白黒」というモードが備わっています。
通常の白黒モードよりもコントラストを強調し、かつ超高感度フィルムか増感現像をしたかのような「ざらついた印象」の画像が撮影できます。
ss 1/160 f4.5 ISO 400
室外機の白と、壁面の黒のコントラストがより強調されています。
室外機の表面の粒状感を拡大で見て驚きました。本来なら無機質なプラスチックの表面に「表情」を感じ取ることが来ます。
荒れた画、という印象になりますが、それでいてシャープに写る部分との塩梅が絶妙で、撮影後に見返したときモニター前で思わず唸ってしまいました。
写真の質感表現にも様々な考えがあります。
ソフトな描写、クリアな描写、シャープな描写・・・。
今回のイメージは「荒々しい画」。パラメーターをその場の雰囲気で調整しつつ、周辺光量補正などのいわゆる補正系ステータスを全てOFFにしています。ISOも必要より少し大きめの値に設定して、ひたすらに画面を荒らす事にしました。
アスペクト比は1:1のスクエアフォーマットを選択。横の広がりはなくなりますが、冒頭のマンション壁面のアオリカットのように、縦方向への広がりをスクエアフォーマットの方が表現しやすいと個人的には感じます。
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ss 1/125 f4.5 ISO 400
先程のカットをさらに寄って撮影。
当日の天候は曇り、光の方向性が見えづらいのと、角度をさらにアオリで近づいたので、壁にとりついているはずの室外機が、床に置かれているようにも見えます。
グルグルと渦を巻く室外機のファンカバー、ずっと見ていると目が回りそうです。
無機質な物体が連続して並んでいるモチーフを見つけると写真を撮らずにはいられない性格です。
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ss 1/100 f4 ISO 400
GRⅢには“GR LENS 18.3mm F2.8”という従来と同じ28mm相当の画角(35ミリ判換算)と開放F2.8のレンズが搭載されています。
高性能化と薄型化の両立を目指した本レンズは、ディストーションや色収差を高いレベルで抑制しているため、歴代のGRシリーズのレンズを凌ぐ高いシャープネスを有しています。
さらに、最短6cmでのマクロ撮影にも対応しているので、上の写真の様な近接撮影も可能です。
スナップに最適な28mm画角でありつつ、マクロ表現もできる。そしてこの薄型と、どの要素をとっても素晴らしいレンズです。
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ss 1/60 f4 ISO 400
電話ボックスも最近はあまり見かけなくなってきました。
かたわらに置かれている鍵は忘れものなのでしょうか。
ガラスの電話ボックスは手前ガラスの写り込みと、奥のガラスの写り込み、被写体と背景など、何層にもレイヤーができています。
カラーだと少しうるさくなってしまいがちな画ですが、モノクロのおかげかスッキリとした印象があります。公衆電話の側面ハイライトと手前のアンダーのコントラストのメリハリがあるのも画の印象を強くする要因になっていると思います。
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ss 1/125 f4.5 ISO 400
ss 1/125 f4 ISO 400
しっかり構えて、設定も何度も見返して、構図もじっくりと考えて・・・。
普段はそういった写真の撮り方をしているのですが、このGRⅢを持つと考え方が変わります。
露出はある程度見当をつけておいて、絞りはだいたいF4前後、構えたら即シャッター。
スナップ撮影方法だからこそ、普段と違った写真が撮れる。
撮影結果もその場では確認せず、帰宅後のモニターでじっくりと見返してみる。
思った通りの時も、そうでない時も全てひっくるめて自分が撮った写真。
スナップ撮影の醍醐味を味わうと、病みつきになります。