【FUJIFILM】X-T4×CONTAX Makro-Planar T*100mmF2.8 AE
じりじりと汗ばむ暑い季節から秋の訪れを告げるかのように、時折涼しい風を肌で感じるようになりました。
去年の夏から今年にかけて、あまり自由に外出することができず、夏といえばひまわり畑に行ったり、花火を観たり、お祭りを楽しんだり、何か夏っぽいことしたかな…と思い返してみるも、唯一思い出を挙げるとしたら、おうちでたくさんのスイカを食べたことくらいでした。
休日はほとんど家の中で過ごすことが多く、暇を持て余したわたしは過去に撮影した写真を整理することにしました。
その中から夏が訪れる少し前の暖かい陽気の季節に遡り、最近お気に入りの【FUJIFILM X-T4×RAYQUALアダプター×CONTAX Makro-Planar T*100mmF2.8 AE】という組み合わせで撮影したときの写真をご紹介いたします。
※本撮影に当たっては、感染予防やソーシャルディスタンスを配慮して行っております。
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出向いた先は大きな池が広がる大きな公園。
公園内を少し歩くと、周囲にはのんびりお散歩をしたり釣りを楽しんだり、ベンチで寛いでいる人がいて市民の憩いの空間が広がっていました。
ぽちゃん、という水音が聞こえた気がしてふと池に目を向けると、まんまるでかわいい鴨の赤ちゃんがおかあさん鴨の後を追いかけて、水面の上をゆらゆらと揺れていました。
心癒される光景に出会えて幸せな気持ちになりました。
X-T4はAPS-Cセンサーを搭載しているため、105mmのレンズを装着すると35mm判換算で約1.5倍の157.5mm相当の中望遠レンズとして使用することができます。
おかげで遠く離れた鴨の親子に対しても、顔が認識できる程度まで画面に捉えることができました。
公園内を歩いていると、ちょうど見頃の赤い花が綺麗に咲いていました。
花びらの肉厚がしっかりと感じられ、瑞々しく血色良い写りに仕上がりました。
植物の葉脈、透き通った線が1本1本繋がって生命力を感じます。
わたしはフジフイルムカメラが描写する“緑色”がとても好きです。
そこにコンタックスレンズの柔らかいボケと、透明感のあるクリアな写りが組み合わさると、清々しく繊細なタッチが際立ち、より好みの描写になります。
風に煽られてそよぐ木々、長細い葉と葉が重なり影となり、前ボケと後ボケが油絵で描いたようなおもしろい描写になりました。
クラシックネガで撮る空は、どことなく懐かしい匂いがする淡く優しい色合いになります。
散歩の最中、撮影に夢中になっていると、いつの間にか鳩が足元に寄り添っていました。
一体いつの間に…しかしシャッターチャンスの到来です。
カメラを鳩に向けて構えてみると、モニター画面には綺麗な丸みを帯びた頭部がお出ましです。
優しく繊細な羽根の線と、鳩の頭部から首元にかけてのグラデーションが印象的な仕上がりになりました。
人が立ち入れない柵の向こうで気配を感じ、ふと視線を向けると水辺に鷭が泳いでいました。
離れたところから観察していると陸地まで上がってきて、地面に転がる松ぼっくりの周辺をうろうろと歩いていました。
この日こんなに生き物に出会えると思っていなかったので、図らずも持ち合わせた機材と今回撮影した被写体の相性が噛みあい、充実した時間となりました。
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これから秋に向かうにつれて、青々とした葉の色も落ち着いた暖色系に変わっていきます。
季節の変わり目は、日ごとに少しずつ移り変わる景色を楽しめるほんの僅かなひと時。
気軽に外出できない日々がまだしばらくは続きそうですが、買い出しやお仕事の行き帰り道、あるいは家の中でもカメラを持って周囲を見渡してみると、なにか面白い発見やほんの一瞬のシャッターチャンスに巡り合うことができるかもしれません。