【Leica】SL2-SとSONYを比べて
LeicaSL2-Sの実力を試すSL2/SL2Sカメラを愛でるスナップミラーレス動画ミラーレス動画Lマウント編動画撮影山
動画も静止画もマルチに使えるLeica SL2-SがVer.2.0にアップデート。
動画機能が拡張され、より使いやすくなった印象です。
そこで今回は、SL2-Sの実力を試すべく、Leica担当スタッフが実際に使用して感じた使いやすさや機能について徹底解説していきたいと思います。
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今回はSONYユーザーの筆者がLeica SL2-Sを使ってみて、どちらがどう優れているのかを見ていきたいと思います。
筆者がメインで使用しているのはα7RIIIです。
元々はSONYのフロアでご案内をしておりました為、α7SIIIで動画を撮ったりもしていました。
そんな筆者が今回使用するのはSL2-Sと、Leica バリオ・エルマリート SL24-70mm F2.8 ASPH.のセットです。
普段はスナップや山岳撮影をしていますが、今回はせっかくの動画に向いた機材という事で山岳動画も撮影してみました。
撮影形式は4K30P・150M・・L-logです。
ファームウェア2.0からH.265とL-GOPに対応し、メディアの使用量を抑えつつ撮影することができるようになりました。
あくまで参考値ではありますが、64GBのSDカードを2枚入れたところ撮影可能時間は1:50程度と表示されました。
また、今回はDCI4Kにて撮影しております。
4Kと言われれば3840×2160のUHD4K(ウルトラHD)を指すことが多いですが、DCI4Kは4096×2160でほんの少し横長です。
DCI4Kはハリウッドで定められた納品形式で、大雑把に言ってしまうとSL2-Sで撮った映像をそのまま納品することもできます。
そういったところを見据えて作られているカメラだと認識することも出来ます。
実際に使ってみてまず驚いたのは操作系統のシンプルさでした。
SONYは上位機種になればなるほどカスタムボタンが増えていく印象があったので、フラグシップ機でこんなにボタンが少なくて成り立つのだろうか・・・という不安が頭をよぎりましたが、実際に使ってみると必要十分という言葉がピタリと当てはまる最小限のボタンで構成されていることがよくわかりました。
そしてやはりボタン類の感覚が非常に良いです。特にマルチセレクターは非常に使いやすく、岩場を登るために薄手な手袋を付けていましたが操作には全く困りませんでした。SONYのマルチセレクターは非常に小さく、手袋をしていると誤操作が多かったのでこういう細かい心配りが好印象です。
また、使用している中で感じたのがバッテリー持ちの良さ。α7IIからα7RIIIに乗り換えた際にバッテリー持ちの進化に驚きましたが、それ以上の感動です。静止画300枚と10~20秒の動画を20本ほど撮影しましたが、バッテリー1本で事足りました。
少しだけ、筆者が操作系統で慣れなかったのがメニューを始めとしたボタン類が全て液晶左側についていることでした。
左手はレンズを支えたりピントを調節したりと、ボディというよりレンズに触れている時間が長い筆者としては、メニュー類を操作するためにEVFから目を離し左手を持ち替えるのは慣れない操作でした。
また、SONYユーザーの筆者としてはフィールド機としてSLシリーズのグリップの大きさは魅力的だと考えていました。
手が大きい男性が冬の屋外でカメラを使うためには必然的に手袋をしなければなりませんが、一般的な標準ズームを付けるとSONYではグリップとマウントの間が狭すぎて指が窮屈なのです。
しかしながら、実際にバリオ・エルマリート SL24-70mm F2.8 ASPH.をマウントし、手に取ってみると実重量以上に重く感じます。
グリップとマウントに距離があり、左重心になってしまう為どうしても右手のグリップだけではバランスが悪くなってしまう事が原因だと思われます。
そして、先に述べた通り左手は随時メニューや再生ボタンを押さねばならないのでなかなかうまい落としどころが見つけられませんでした。
機能的面では、AFの速度や精度に関してはSONYの方が上手です。静止画のAF速度はα7RIIIと同等程度、動画のAFは一般的なコントラストAFのカメラだと感じました。
ただ、AF移動のなめらかさには目を見張るものが有ります。いつの間にかフォーカスが動いているというのがしっくりくる表現でしょうか。
素早く動く被写体には不向きですが、なめらかなフォーカス移動を求める風景などにはもってこいかと思います。
急峻な岩場や細い登山道のため、三脚を立てられない時は手持ちにて撮影しましたが「手振れをしていることは分かる」程度までマイルドにしてくれています。
最後のカットは稜線上で非常に風が強く、体を風に揺すられながら撮影しましたが、非常にマイルドになっているかと思います。
動画では基本的に色を合わせますが、今回はあえて様々な色味に振っています。
表現の幅も広く、制作者の意図に合わせて多様な表現が可能です。
最後に今回SL2-Sとバリオ・エルマリート24-70mm F2.8で撮影した写真もご覧ください。
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今回はSONYユーザーがSL2-Sを使ってみるという内容でしたが、Leica,SONY共に良い点が見つかり非常に良い体験となりました。
次回以降もSL2-Sの魅力を発信してまいりますので、是非ご覧ください。
Ver.2.0にアップデートされたSL2-Sの連載記事はこちら