片手にはQ2 MONOCHROMを、もう片方の手には豚まんを持って歩く男のお話。
前篇にお付き合いいただいた皆様、ありがとうございました。
まだご覧になっていない方は是非そちらもお楽しみください。
それでは目的地、夜に向けて歩みを進めます。
さっきまでうっすらとしか見えていなかった月が空の主役を始めました。
昨日の月齢は5.2歳。
今日、11月11日の月はちょうど半月、上弦の月です。
75mmもあればここまで写すことはできますから、カメラをお持ちの方は見上げてみてください。
荒川水系、妙正寺川。
杉並区から新宿区まで流れており、たまに散歩しますが今日は当たりの日。
下流方向に向けて消えゆく反射が…と、わざわざ言葉で語るまでもありません。
このカメラで写した景色は「写真」と言うより、「ガラス」と言ったほうが正しいような透明感。
対岸ですが、思わず撮ってしまうほどコインランドリーが大好きです。
写真が趣味の人は大多数が好きなのではないかと思っていますがどうなのでしょう、思い違いかもしれません。
総じて四角くて控えめな建物のなかに、丸い洗濯機、乾燥機が並んでいるのが楽しいのだと思います。
あとはそうですね、学生時代や若い頃の思い出があるのです、たぶん。
日没はもうとっくに過ぎていて、西の空が明るいからと言ってのんびり歩いていてはセリヌンティウスに呆れられてしまうような時刻。
あれ、恐らく夏だからよかったものの、秋冬なら間に合っていないのではないかとはらはらします。
この写真も実は綺麗な夕焼け。
出発前、今日は快晴だからQ2にしておこうかと逡巡しましたが、こちらで正解でした。
いい空です…目的地はもうすぐそこ。
階調に背を向ければもう景色は夜。
歩道橋の下を通る車は暗くなっても賑やかで、静かな地元が恋しくなりました。
街灯が照らす範囲を超えても真っ黒に潰れてしまわないのがすごいところ。
ボケの様相もあまり気になりませんでしたが、気にならないってことはどれだけナチュラルなのかを物語っているのです。
すっかり暮れて、高円寺。
目的地の夜へは到着したと言っていいでしょう。
ほんとうならこの辺で居酒屋かバーにでも入りたいところですが流石に我慢。
個性的なお店やおしゃれなお店、おいしそうな匂いがそこかしこから誘惑する街の雰囲気。
完全とは言わないまでも、戻りつつあることに安堵し、人の少なさにはまだ違和感が残ります。
繁華街は横道に逸れて、帰路、夜の街道へ。
・・・
モノクロで撮れば、夜の暗さもあんまり気にならないのでオススメです。
影は黒、光は白、それだけで構成されていることに落ち着きを覚える今日この頃。
是非、無心になれるカメラを一台。