秋の大型連休、シルバーウィークの時期が今年もやってきました。
シルバーと言えば銀塩ということで、今年は「銀塩週間」と題しマップカメラスタッフが撮影した銀塩写真を投稿していきます。
フィルム価格だけでなく現像代の高騰や人気フィルムの生産終了など、崖っぷちと言っても過言ではないフィルム文化を何とか後世に残していきたい。
そんな思いを胸に「毎日使えるフィルム」をテーマとして安価で使い勝手の良いFUJIFILM FUJICOLOR100で撮影した写真の連載を行ってきました。
本日はシルバーウィークの最終日ということで番外編、今月中旬に再販が開始されたFUJIFILM X-TRA400で撮影した写真を投稿させていただきます。
今回使用した機材はLeica M6とLeica APO-Summicron M50mm F2.0 ASPH.です!
各種フィルムの値上げ、現像代の値上げ、生産終了など悲しいニュースが飛び交う昨今で人気だったフィルムの再生産というのは非常に嬉しいニュースです。
過去にX-TRA400を使っていた方からすれば二度と手に入らないと思っていたフィルムをまた新品で買えるようになったのです。嬉しい事この上ないでしょう。
M型でISO400のフィルムを使う時は黄昏時や曇天時の撮影などのシチュエーションが考えられますが、私はアポズミクロンを絞って使うためによくISO400を使います。
元よりライカで最も”硬い”レンズとして知られるアポズミクロンですが、絞って使うとより硬さや描写力の高さを実感できます。
木漏れ日に当たる葉の陰影が美しくシャッターを切った一枚。幹の硬質さが上手く表現されています。
湖畔でキャンプをした時の一枚です。
今年の夏は水場へ行くことが多く、あちらこちらの湖畔や海岸で写真を撮っていたように思います。
あまりの快晴ぶりに「どこまで絞るの?」なんて言いながら絞りリングを回し、最大F値でようやく適正露出のライトが光りました。
M6のメリットはなんと言っても安定した露出計でしょう。露出計の信頼性は高く、M5の様にアームが飛び出してこないので基本的にどんなレンズでも付けられます。まさに実用の一台、ファーストライカにおすすめです。
ISO400にしては強めの粒状感がありますが、これが良いのです。
この嫌味の無い「フィルムらしい粒状感」を求めてSUPERIAや以前のX-TRAを使っていた方も多いと思います。
明け方の山麓へ。
下界もかなり涼しくなってきましたが、山では秋支度が始まっています。
今月末から来月頭にかけ紅葉、それが終わったらすぐに冬支度が始まり冠雪。来年のGWくらいまで山は長い冬の眠りにつきます。
非常にラチチュードが広く、雲の白が全く飛んでいません。
それでいて山の麓にかかるモヤはしっかりと表現、良いフィルムです。
実るほど頭が下がる稲穂かな
早稲はもう収穫が始まっており、重そうに垂れ下がった稲も収穫される時を待っているように見えます。
人間、いつまでも謙虚にいたいものです。
かなり雲も出てきてしまったので絞りはF5.6程度ですが、スムーズで自然なボケが好印象です。
フィルムはパッケージの色でなんとなくの色調が分かることが多く、このフィルムは黄緑色が非常に綺麗に出ます。
澄んだ水は見ているだけで心が洗われます。
良いレンズは透明なものをよく写す、と常々言っています。
ガラス、水、空気。良いレンズは透明でありながら存在する物を透明なまま描写することが出来るのです。
ぱっと見ただけでは砂に見える一枚ですが、波紋が水の存在を教えてくれます。
よくよく見ていくと、砂の上に透明な層があり、それが水であると分かります。
この透明感、この描写こそ筆者がアポズミクロンに求めているものです。
他のカラーネガと比べてもラチチュードが広く、程よい粒状感と懐かしさを感じられる色味、非常に使いやすいフィルムです。
M6で露出を取りアポズミクロンで描写することで、鮮鋭でシャープネスは高いのにどこか懐かしい雰囲気を持った写真が生まれます。
新しく生まれ変わったFUJIFILM X-TRA400、非常に良いフィルムです。是非見かけた際はお手に取ってみてください。
本日はLeica M6とLeica APO-Summicron M50mm F2.0 ASPH.とお送りしました。
来年もお楽しみに!
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