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【Leica】Noctilux M50mm F1.2 ASPH.を携えて

【Leica】Noctilux M50mm F1.2 ASPH.を携えて

よく知っている街をまるで初めて降り立ったかのような気持ちで写真が撮れるレンズだと思いました。
Noctilux M50 F1.2 ASPH.です。

「ライカの復刻レンズ」の3本目として、1966年から1975年にかけて発売されたNoctilux M50mm F1.2 をベースに製造されたレンズです。
オリジナルは世界で初めて非球面レンズを採用したレンズとして注目を集めたそうです。
開放時の撮影ではそのオリジナルレンズに寄せた写りを、絞れば現代レンズのシャープさが顔を出す、そんなレンズだと言います。

合わせたボディはLeica M10。M10-P、M10-Rに続くシリーズの原点になるカメラです。
M10シリーズの中では一番優しい色で、「わざとらしすぎない」素直な写りをするカメラだと感じ、私は一番日常で使いたいカメラだと思っています。



そんなカメラを持って降り立ったのは、よく買い物をしたりご飯を食べたりした街です。
駅前には公民館があり、いつもは何気なく見ている景色でしたがよく見ると、外のベンチが白色ですが赤血球のような形です。
建物も窓が楕円型であまり見ないタイプの建物です。


規則正しく並んだ鳩です。
ピント面は確かにシャープですが、どこからかだんだんと柔らかくぼけていきます。
じんわりとぼけていく様子などは確かにオールドレンズのようです。
もう少し望遠のレンズで鳩にフォーカスした方が良かったかもしれない、と思いましたが50mmで撮ると鳩のポツンと整列している様子が強調され、これも良いかもしれないと思いました。


写真を撮りながらのんびり進んでいると、目の前に飛び出し注意の標識が。
背景のボケはノクティルックスらしく、背景をはじめにはっきり書いて水などで伸ばしたようなボケ味です。



冬になるとよく目にする片手手袋の落とし物です。
Leicaの他のボディやレンズを使うと、もっと色が鮮やかにこってりと写される印象があります。
M10もNoctilux M50mm F1.2 ASPH.もどっしりとした存在感を残しながら色味は自然な色合いです。
下の写真の、真ん中に手袋を据えた一枚は周りがぐるぐる回っているようです。


高架下を利用して公園やカフェなどが連なっているところを最近よく目にするような気がします。
この駅も隣駅まで公園や病院、カフェになっていて平日の昼間にも関わらず多くの人で賑わっていました。
高架下らしく、駅を模した公園がありました。
木でできた汽車が素材のぬくもりも残しつつ目の前まで走ってきそうな立体的な描写ができるのはNoctiluxらしいなと思いました。


駅のホームのようなベンチにピントを合わせて一枚撮ったはずなのに、輪郭がふんわりしています。
逆光だったのでベンチの輪郭には少しフリンジが出ています。
夏よりも冬の方がフリンジも穏やかな光になるような気がするのは気のせいでしょうか。


コーヒー豆を挽く香りに誘われてふらふらとコーヒーショップへ。
世界各国のコーヒー豆が多く取り揃えられ、それぞれのコーヒーの味の特徴が分かりやすく紹介されていました。
Noctiluxは高嶺の花。
そんなイメージがありました。
今日一日Noctilux M50 F1.2 ASPH.と一緒に写真を撮るとそのイメージはなくなり、親しみやすいレンズになりました。
親しみやすさの中にどこか、このレンズでしか出せない不思議な魅力のあるレンズです。


通り慣れたいつもの道でさえ、ここではないどこかのような
知らない街に初めて降り立った時の心の静けさを表現してくれる魅力的なレンズだと思いました。
次回は、きっと海をこえてまだ見ぬ異国で、このレンズを持って写真を撮ってみたいです。




[ Category:Leica | 掲載日時:22年12月11日 19時30分 ]

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