~SUMMICRON(ズミクロン)M50mmF2~
いわずと知れた名レンズで、この【MAP TIMES】にも何回か取り上げられています。
資料によりますと1953年にLマウントとして、
翌年にMマウントとして発売されたとのこと。
その後レンズ構成や外観の意匠、マテリアルが変更され現在まで販売され続けています。
世代により第〇世代と言われ、認識されています。
ちなみに現行品は【レンズフード組込】と呼ばれる第4世代にあたり、
先端からフードを引出して使用するタイプです。
沈胴タイプは第一世代の初期にしか作られていなかったそうで、
後期型は固定鏡胴タイプのものしかありません。
理由は強度的な問題や平面性を担保するためだと言われています。
【沈胴】するギミックのポイントは「携帯時はコンパクト」であることに他なりませんが、
レンズを伸ばしたとしても、充分にコンパクトと思えるのは現在、多くのレンズが肥大化している証です。
ガラス(光学部)もこの口径でF2の明るさが担保出来るならこれで充分なのでは、
大口径レンズはいらないのではと思ってしまいます。
大胆に太陽を入れても破綻することはありません。
とても70年前のレンズとは思えない描写です。
逆光時や複雑な被写体でも自然なボケが楽しめます。
シャープな描写と光源のフレアーが絶妙なバランスを保っています。
今回は使用したボディは【Nikon Z6II】
フォクトレンダーのVM-Zマウントアダプターを介せば装着するだけでなく、近接撮影も可能です。
装着時のバランスは良く、構えた状態でのピントリングの操作は快適です。
ピントリングのノブがあるためファインダーをのぞきながら「迷子」になってしまうことがありません。
レンジファインダー用レンズの特性として最短撮影距離が1mですが、
アダプター側も繰り出すと40cm程まで寄ることができます。
私にとってこれがミラーレスカメラで使用したい一番のポイントです。
輪郭が際立つ鮮明さと柔らかな諧調を併せ持っているのが印象的でした。
PCのモニターからもその透明感が伝わってきますが、
銀塩ボディの撮影でもフィルムを見ただけで「ズミクロン」を認識出来るほどです。
良いレンズは時代を超えても、他メーカーのボディで使用しても良いと再確認しました。