2023年2月 新品・中古デジタルカメラ人気ランキング
GR IIINikon Z MountX-T3α7 IIIスタッフおすすめ機材厳選アイテム新品・中古デジタルカメラ人気ランキング
新品デジカメ2月ランキング | |||
1位 | Panasonic | LUMIX S5II | ミラーレス一眼カメラ |
2位 | Canon | EOS R6 Mark II | ミラーレス一眼カメラ |
3位 | Nikon | Z9 | ミラーレス一眼カメラ |
4位 | SONY | α7RV | ミラーレス一眼カメラ |
5位 | Canon | EOS R7 | ミラーレス一眼カメラ |
6位 | SONY | α7IV | ミラーレス一眼カメラ |
7位 | OM SYSTEM | OM-1 | ミラーレス一眼カメラ |
8位 | Leica | Q2 | コンパクトデジタルカメラ |
9位 | Canon | EOS R10 | ミラーレス一眼カメラ |
10位 | Canon | EOS RP | ミラーレス一眼カメラ |
4年ぶりのリアル開催となったCP+2023が行われた2月、新たな銘機が登場しました。
2月16日発売の『Panasonic LUMIX S5II』が、2位に3倍以上の大差をつけて初登場1位を獲得。
ランキングにPanasonicの名前が挙がるのは久し振りな気がします。調べてみると、2022年5月に5位に入ったLUMIX DC-GH6以来でした。
さらに、私がこのコーナーを担当して8年ほどになりますがPanasonicのカメラが新品部門で1位を獲得したという記憶がなく、半ば意地になって過去を遡ってみました。結果、2009年9月発売のDMC-GF1が2010年11月に1位を獲得して以来のことになるようです。なんと12年3ヶ月ぶり!(タイトルはずっと不変なので、皆様も『StockShot』の検索欄で「新品・中古デジタルカメラ人気ランキング」と検索をかけていただくと2007年3月まで遡ることが可能です。)
しかし、今回のLUMIX S5IIはそんな快挙を成し遂げるに相応しいカメラです。
新開発の2420万画素フルサイズCMOSセンサーと、高ビットレートの動画を高速演算処理可能な新世代ヴィーナスエンジンを搭載。そして何より待望の「像面位相差AF」をLUMIXカメラで初めて採用、高い描写力と高精度のAF追従性能の両立を実現しました。
Panasonicと言えば動画撮影性能に定評があるカメラ作りが得意で、かつては動画撮影を主とするクリエーターたちの御用達という印象がありました。ところが最近では他メーカーの躍進に追いつくことができず、完全に後塵を拝する形に、結果としてランキングでは忘れ去られた存在となってしまっていました。
今回のLUMIX S5IIは、そんなPanasonicにとってまさに起死回生の1台となりました。新機種として発表された時まず話題になったのが「像面位相差AF」の採用。位相差検出式の高速性とコントラスト検出式の精度の高さを併せ持つAFをLUMIXカメラで初めて採用したことで、離れつつあったユーザーを引き留めただけでなく新規のユーザーの獲得にも成功したようです。
それは販売数の内訳でも分かります。LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6とLUMIX S 50mm F1.8を組み合わせたダブルレンズキットの販売数が、ボディ単体の倍以上という結果になりました。買い替えの方より新規にSシリーズを始める方が多いようです。
さらにそんな新規ユーザーの購入の後押しとなっているのが、その驚きの価格設定。ダブルレンズキットとLUMIX S 20-60mm F3.5-5.6のみの標準ズームレンズキットの価格差は僅か2万円弱。つまり標準レンズ1本がその価格ということです。ボディ単体と比べてもおよそ5万円ほどで2本のレンズを手に入れることができる計算になります。新規ユーザーにとってはまさに嬉しい限り。ただ残念ながら、人気が高すぎてダブルレンズキットは現在「お取り寄せ」に。このまま躍進を維持できるかは、他メーカー同様その供給力にかかっているようです。
歴史的な(?)出来事に少し話が長くなってしまいました。あらためてランキングを見ていきましょう。
2位に『Canon EOS R6 MarkII』。3ヶ月連続1位は逃しましたが、安定した人気を誇ります。供給も前回よりは回復傾向にあるようで、1位返り咲きも十分に狙える位置にいます。
3位に『Nikon Z9』。2位とは少し差が開きましたが、こちらも好調です。60万円を超えるフラッグシップカメラがランキングの常連になり、それも上位に位置しているというのは思えばすごいことです。
ライバルであるCanonのEOS R3は、昨年10月8位ランクイン以来10位以内から遠ざかっています。(今回は同数12位。)
同クラス対決はここのところNikonが優勢ですが、そのNikonはZ9の孤軍奮闘状態に陥っています。
前回Z9を上回る2位に入ったZ5は、キャッシュバックキャンペーンも終了しランクダウン、今回は同数12位という結果に。発売から時間も経っていますし、キャンペーンなどの手を借りないとランキング復帰は難しそうです。
中級クラス機の名がここ数ヶ月ランキングに挙がってこないNikon、Z9頼みが続いてしまうのでしょうか。
4位は『SONY α7RV』。前回9位とランキングを大幅に落とし早くも息切れかと心配しましたが、また息を吹き返してきました。
6位に入ったロングセラー機『α7IV』に倣って、長くSONYを支える存在となってほしいところです。
5位に『EOS R7』、9位『EOS R10』、10位『EOS RP』と、結果としてCanonは今回のランキングに4機種を入れています。
昨年、半ばから後半にかけて怒涛の勢いを誇ったCanon。ただ人気機種が供給不足になり、その勢いをそがれていました。
12月EOS R6 Mark IIの登場、そして他機種も供給が安定してきたこともあり、また復調の兆しが見えてきました。
逆に供給不足の泥沼にどっぷりつかってしまっている感があるのがFUJIFILM。
昨年11月に同月発売のSONY α7RVを倍以上引き離して華々しく初登場1位を飾ったX-T5ですが、前回1月は大きく順位を落とし8位、今回はついにランク外に沈んでしまいました。
勿論人気が落ちたのではなく、メーカーの深刻な供給不足が原因です。
長く人気を保っているX-S10も相変わらず供給が安定せず、こちらもランク外に。
FUJIFILMでは以前、人気の高かったX-E4やX-T30IIといった機種が供給不足が解消することなく生産終了になってしまったケースもあります。X-S10が同様のことにならないか、心配する声も聞かれます。
X-T5もまだ十分に上位を狙える機種、一刻も早く事態が好転することを望みます。
7位に昨年3月発売の『OM SYSTEM OM-1』が、その6月8位以来のランクイン。
2月8日からメーカーのキャッシュバックキャンペーンが始まったこともあり、人気が再燃してきました。
以前のようにフルサイズ機ばかりがランキングを占めていたような現象は今ではなく、APS-Cサイズ機も台頭しています。
これを機会により機動力の高いマイクロフォーサーズ機の存在も、見直されることを期待しましょう。
新品ランキング最後の紹介は、8位の『Leica Q2』。前回4位に入り衝撃を与えたカメラが再びランクイン。
この人気は本物か、なんて書くとLeicaマニアに怒られてしまうかもしれませんが、かく言う私もLeicaファンの一人。ですので、1位のLUMIX S5IIと同じく過去に遡って解説しましょう。
2019年3月発売のQ2、Leicaの通例と言いますか、発売当初はご予約を多くいただいたにもかかわらず品薄状況が続きました。全世界的人気を誇り、日本に供給される数も限られてしまうのですから、致し方ないところでもあります。
その3ヶ月後の6月、供給も増え10位に初ランクイン。この時も大変驚いたのを記憶しています。
さらに翌月は8位に。あのLeicaのカメラが2ヶ月連続でランキングに名を連ねるなんて歴史的な大事件といえることでした。
さて、今回の件に話を戻します。前の時と同様に2ヶ月連続となりますが、今回は発売から約4年が経っています。しかも前回1月はなんと4位にランキング。どれだけすごいことか、分かっていただけましたでしょうか。
この人気の理由は前回も述べました。1月20日メーカーの価格改定後も価格が変わらず、お得感が倍増したQ2 アウトレット品の存在がまず挙げられます。
そしてやはり外国人観光客の増加によるところも大きな要因と言えます。
彼らの中には旅行前からマップカメラの存在を知っていた方も多く、旅の目的地の一つとしてマップカメラ1階Leica Boutique MapCamera Shinjukuや地下1階ライカコーナーを訪れてくれる方も大変多くいらっしゃいます。
フロア内に外国語が響き渡り、外国のお店になってしまったような錯覚を覚えることも。その方たちからの問い合わせで特に多かったのがQ2でした。
手頃なサイズ感を持った大きさと重量、そして説明書がなくてもすぐに使いこなせる操作性の良さが人気で、購入後そのまま首から提げて帰られる方もいらっしゃいました。
残念ながら現在アウトレット品の販売は終了していますが、海外からのお客様はますます増えそうです。Q2の3ヶ月連続ランクインが見られるか、次回の新品ランキングも注目です。
中古デジカメ2月ランキング | |||
1位 | FUJIFILM | X-T4 | ミラーレス一眼カメラ |
2位 | Canon | EOS R6 | ミラーレス一眼カメラ |
3位 | SONY | α7C | ミラーレス一眼カメラ |
4位 | RICOH | GR III | コンパクトデジタルカメラ |
5位 | FUJIFILM | X-S10 | ミラーレス一眼カメラ |
6位 | SONY | α7III | ミラーレス一眼カメラ |
7位 | SONY | α7IV | ミラーレス一眼カメラ |
8位 | FUJIFILM | X-T3 | ミラーレス一眼カメラ |
9位 | Canon | GR IIIx | コンパクトデジタルカメラ |
10位 | Canon | EOS 5D Mark IV | デジタル一眼レフカメラ |
10位 | SONY | α6400 | ミラーレス一眼カメラ |
新品ランキングでその窮地をお伝えしたFUJIFILMですが、中古ランキングでは一転、好調ぶりが際立っています。
『X-T4』が2ヶ月連続の1位獲得。前回は2位X-S10、3位SONY α7IVと僅差の首位でしたが、今回は2位に倍近い圧倒的な大差をつけての1位。
中古の商品数が豊富だったことに加え、下旬から決算セールが始まり、よりお買い得感が増したことも大きな要因。さらに新品ランキングでご紹介したようにX-T5が供給不足による品薄状態に陥り、入手可能でお得なX-T4に購入者の眼が向けられたこともあったようです。
ただこの2月にかなりの数の中古商品が売れてしまったこともあり、現在は大分商品数を減らしています。3ヶ月連続を狙うには、やはりX-T5が順調に供給されお買い替えが増えることが必要なようです。
2位に『Canon EOS R6』。昨年11月、12月と連続で1位を獲得しながら前回は4位に落ちてしまっていました。
今回、差をつけられたものの2位まで復帰。新品部門でEOS R6 Mark IIが好調なことを受け、R6の中古商品数もまだまだ潤沢ですので次回1位奪還も十分あり得ます。
3位は『SONY α7C』。昨年10月に中古ランキング1位を獲得、その後11月に6位になって以来ランク外に落ちていましたが、今回は上位に返り咲きしました。
人気ゆえに中古商品数が減少し順位を落としていた模様、今後も在庫数に左右されそうですが人気は維持しそうです。
4位に『RICOH GR III』、今回は9位『GR IIIx』とダブルでのランクインです。
相変わらず新品の供給が安定しないせいもあり、中古の販売数が伸びています。
陽気も暖かくなり散歩の機会も増える頃。ちょっとカバンに忍ばせるカメラとして最適なGRシリーズは今後どんな動向を見せるでしょうか。
X-T4で首位を獲ったFUJIFILMは、『X-S10』を5位、そして『X-T3』を8位と今回も3機種をランキングに入れてきました。
新品の供給不足が続く限り中古を購入するしか選択肢がなく、それゆえ中古ランキングで好調というのはやはり良い傾向とは言えない気がします。
対してSONYは、新品ランキングで安定した地位を占めながら、中古部門でも先のα7Cのほか、6位『α7III』、7位『α7IV』、同数10位に『α6400』と計4機種をランクイン。
ユーザーが順調に買い替えを行い、数も多く価格も下がった中古がまた売れるという、とても理想的な流れが出来ているよです。
中古部門最後は同数10位に入った『Canon EOS 5D Mark IV』。本当ギリギリのところで一眼レフ機が頑張ってくれています。
前回紹介した『Stock Shot』の連載ブログ「一眼レフという選択肢」も好評で、これを機に再び一眼レフ機を手にされた方もいらっしゃるとか。
一眼レフの灯を消さないためにも、まだ目にされていない方も是非一度ご購読を!
久しぶりのリアル開催で大いに盛り上がったCP+2023。実際に会場に足を運んだ方も多くいらっしゃることでしょう。(残念ながら行けなかった方も『StockShot』に特集記事が多く掲載されています。お読みになれば会場の雰囲気も感じ取れると思いますのでどうぞ。)
メーカー側もユーザーの皆様もこれまで閉じ込めていたものを一気に発散させるような活気にあふれ、会場の熱気たるや大変なものでした。今後のカメラ業界の盛り上がりに大いに期待したくなるような4日間、新たに欲しいカメラが増えてしまったなんて方も多いのでは?!
このランキングでも、これからどれだけの新しいカメラが登場しそれまでの人気機種としのぎを削るのか、本当に楽しみな限りです。皆様もどうぞご期待ください!!