【Nikon】Z fcで味わう極上の銘玉「Voigtlander NOKTON D35mm F1.2」Vol.1
新たにブラックカラーが加わった「Nikon Z fc」。フィルム時代のFMシリーズの雰囲気をデジタルカメラで気軽に楽しむことができる人気の1台。
Nikon Zマウントには魅力的なオートフォーカスレンズがラインナップされていますが、せっかくなら「クラシックデザイン」なレンズを選びたいところ。
「Voigtlander」からリリースされるZfcにベストマッチなマニュアルフォーカスレンズの魅力を数回にわたって連載!ぜひお楽しみいただければとおもいます。
日差しが暖かく、気温も寒いということはなく良い写真撮影日和でした。
平日な上に夕方に差し掛かる午後の遅い時間の植物園は人がまばらです。
閉園時間まであまり猶予がなかったので、寄り道をせずに目的である温室に向かいました。
ここの温室はかなり大規模な温室になっていて、熱帯植物から砂漠の植物まで様々なものがあります。
熱帯植物が好きなので度々足を運んでいますが、タイミングが良いと果実をつけているバナナやジャスミンを見ることができます。
今日は残念ながら果実を見つけることはできなかったので明るいレンズのボケを楽しみながら気持ちの良いグリーンとアクセントになっていた花を撮影してきました。
巨大なゼンマイのような形状の不思議な植物。これは木の形状になるシダ植物の新芽らしいです。
つい気になって形状を眺めてしまうのですが、なぜかゾワゾワ鳥肌がたちそうになるのは私だけでしょうか…。
温室に入る日光を程よく遮ってくれる大きな葉っぱ。零れる光の描写がとても綺麗でした。
木々の間から入ってくる光がスパンコールのような玉ボケになります。
シャドウが強い部分はVoigtlanderのレンズらしいこってりとした色乗りのまま、キラキラと美しいボケが出るのは明るいNOKTONを冠するレンズならではです。
パウダーパフのような赤い花。開放でもピントが合っているところはとても鮮明に写します。
花に見える長く伸びた細い毛のような部分は、すべて雄しべでその根元の部分が花なのだそうです。
花が良く見えるようにクロップしてみましたが、雄しべの一つ一つもしっかり描写していることに驚きました。
良く写るレンズだなあと感心してしまいます。
ピントが合っている部分は柔らかくも鮮明。自然光に溶けるようにボケていく表現がとても心地良いです。
開放がF1.2ですのでピントを合わせるのに苦労するかなとも思ったのですが、使いにくさを感じることもありません。
5月頃の本番シーズンに向けて薔薇園では春の剪定作業が行われていました。
ツルっとしていて寂しく見える薔薇の木たちは、春は春で新芽をつけることで忙しいのです。
迫力のある大きさの「おばけススキ」なんて呼ばれているパンパスグラスです。
少し絞って撮影すると、フワフワとしていた手前ボケがなくなり素直な描写のレンズに早変わりします。
雰囲気がガラッと変わるので1つのレンズで多様な表現ができることがうれしいです。
出口に向かって歩いていると、漂ってくる甘い香り。
この香りはもしやと思い、誘われるように向かうと「うめ園」の看板を見つけました。
満開の梅園は、白や紅色、桃色の色とりどりの花で埋め尽くされていました。思いがけず、満開の梅を見れて少し得した気分です。
場所は変わって河川敷にきました。
川にかかる陸橋越しに見える空が色づいているのがわかります。
河川敷で眺める夕焼けなんていうのは、久しぶりでした。
思い切り絞って、夕焼けの姿を撮影します。Voigtlanderのレンズは、コントラストが高めで光の描写がとても美しいと思います。
そういう描写が似合うシーンに遭遇すると、絞って少し暗めな絵が撮りたくなるのです。
すっかり日が暮れて、NOKTONの名前の由来である「夜でも撮れる明るいレンズ」を体験します。
光の滲み方がしっとりとして、程よい艶感を感じる絵になりました。
影の落ち方すら雰囲気のある描写にしてくれます。
昼の撮影も、夜の撮影も、多様な描写表現ができる使いやすいマニュアル単焦点です。
楽しい1本ですので、ぜひ使ってみて下さい!
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