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【Leica】SL2 + NOCTILUX M50mm F1.2 11820

【Leica】SL2 + NOCTILUX M50mm F1.2 11820

絞り:F1.2 / シャッタースピード:1/5000秒 / ISO:50 / 使用機材:Leica SL2 + Noctilux 50mm/f1.2 11820

「Fast lens」の始祖にして代名詞、ノクティルックス。生産本数の少なさや異次元の描写、そして手磨きにより生み出された贅の極みともいえる非球面レンズなど、多くの要素によってその価値は急上昇。人類が追い求めた速さ、明るさへの探求心は技術発展を遂げたいまもなお人々を魅了し続けています。今回の撮影ではこのレンズの真骨頂ともいえる開放F1.2を存分に味わうべく、ホールド感やシャッタースピードに優れるLeica SL2で撮影しました。オールドレンズらしい描写のクセや柔らかさ、甘さを予想していると足元を掬われるこの感覚。当時圧倒的な明るさを誇るレンズとして誕生しましたがそこはライカ、いい意味で「らしさ」を感じさせない非常にコントローラブルな写真を写すことが可能です。ピント面とその前後にまで感じるはっきりとしたコントラストと、後ボケと前ボケに感じる僅かなザワつき。そして開放で写しているのにも関わらず芯を溶かしきることなくナチュラルなボケ味がより一層ピント面との乖離を際立たせています。

絞り:F1.2 / シャッタースピード:1/4000秒 / ISO:50 / 使用機材:Leica SL2 + Noctilux 50mm/f1.2 11820

フード無しで発生したフレア。出る条件は極端な直射を斜めから受けた時で、太陽や強い光源を画角に収める際はむしろ発生を抑えられました。つまりフードの装着によってフレアなどの影響の多くは防ぐことができるようです。

絞り:F1.2 / シャッタースピード:1/3200秒 / ISO:50 / 使用機材:Leica SL2 + Noctilux 50mm/f1.2 11820

最も手前の被写体から順番に消え入るようなボケ感、水を垂らしたようなボケ感を感じ取ることができます。EVFでほぼ無限遠に合わせたピントは輪郭の線を描きながらも特にハイライト部分が強く滲んでおり、繊細な描写とオールドらしさの両方を含蓄した味わい深いもの。

絞り:F4 / シャッタースピード:1/16000秒 / ISO:50 / 使用機材:Leica SL2 + Noctilux 50mm/f1.2 11820


少し絞り込めばこの通り、ピントの合っている部分に関してはかなりシャープな印象を受けます。また周辺に至るまでに大きく像が流れる事もなく、少し減光が見られるもののかなり端正な1枚。開放でも驚くほどピントの立ち上がりは感じましたが、F4となるとより一層鋭いコントラスト。このレンズ1本でシーンに合わせて使い分ける事が出来そうです。

絞り:F1.2 / シャッタースピード:1/10000秒 / ISO:50 / 使用機材:Leica SL2 + Noctilux 50mm/f1.2 11820

絞り:F1.2 / シャッタースピード:1/4000秒 / ISO:50 / 使用機材:Leica SL2 + Noctilux 50mm/f1.2 11820

開放、5m付近に被写体を持ってきた時の浮き上がる様子が堪りません。本能的にこれは人間の眼では到達しえない表現領域であると感じ取ってしまいました。上の写真のピントに関して実は少し外しており、少し手前のアスファルトがそれです。しかし自転車に乗る人に目が行くのは強いコントラストを伴った描写が期待できるレンズであるからこそ。分ける所は分ける。混ぜる所は混ぜる。ある意味1枚の写真の中で緩急に富んだ表現が得意とも言えるでしょう。

絞り:F1.2 / シャッタースピード:1/2500秒 / ISO:50 / 使用機材:Leica SL2 + Noctilux 50mm/f1.2 11820

絞り:F1.2 / シャッタースピード:1/2500秒 / ISO:50 / 使用機材:Leica SL2 + Noctilux 50mm/f1.2 11820

最短撮影距離は1m。ライカレンジファインダーの限界である0.7mと並んで技術的伝統とでも言うべきでしょうか。それらを更に割ってきた昨今のレンズと比較すると利便性では劣るともいえるかもしれません。しかし補って余るほど魅力、そしてF1.2のボケがありますから到底問題は無し。無限遠の描写、5m付近の描写と近寄りながら見てきましたが、このレンズにとっての最短開放はやはり譲らぬ特異点。パチッと弾けたかと思えば嫌味なくボケ始め、徐々に線が乱れていく過程を見て取ることができます。

絞り:F1.2 / シャッタースピード:1/2500秒 / ISO:50 / 使用機材:Leica SL2 + Noctilux 50mm/f1.2 11820

覗き見る構図にはもってこい。窓枠効果にこのレンズの特性を乗算すればその言葉の通り掛け算レベルの伸びが期待できます。この写真では被写体の上下を遮り、横に強い人の眼にとってはより新鮮味をもって迎えられるものとなりました。
一昨年発売された復刻版ノクティルックスM50mmF1.2 ASPH.の特徴を今回の写真から逆算すると、かなり角を取ったレンズとして仕上がっているような印象。その分ほぼ手放しで常用にも適していると言えますが、同時にオリジナルでしか写す事ができない世界が存在している証明にもなりました。強い癖で押してくるわけでもなければ、見たままをひたすら緻密に届けるわけでもない。それぞれから欲しい要素をチョイスして写真という1枚の作品を作り上げるかのよう。唯一無二の存在であると恐れずに紹介できるレンズです。

今回の撮影は復刻版とSL2のレンズキットが発売されたことから着想を得て行いました。
復刻版では良くも悪くも全く同じとはいきませんが、オリジナルレンズを蘇らせて楽しむというライカならではの魅力を感じる事が出来るはずです。

[ Category:Leica | 掲載日時:23年10月29日 18時45分 ]

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