【SONY】FE 100mm F2.8 STF GM OSSのボケ味は如何に?
SONYSONY G Master/G lensα7S IIIα9III 120コマ/秒対応単焦点を楽しむ秋、色撮りどり
秋も深まりそろそろ東京都内でも紅葉が楽しめそうな時期になって参りました。
しかしながら見頃を迎えるにはもう少し時間がかかる模様。
今回は下見も兼ねて都内の庭園に撮影へ赴きました。
ボディはα7SIII、レンズはFE 100mm F2.8 STF GM OSSです。それではご覧ください。
ソニーから発売しているレンズの中でも、やや特殊レンズよりなSTFの銘が入った本レンズ。
STFとは「スムース・トランス・フォーカス」のそれぞれの頭文字を取った単語で、「アポダイゼーションフィルタ」という中心部から周辺部にかけてなだらかに光の透過量が減少する特殊フィルタが搭載されたレンズとなっています。
このフィルタを介する事で、とろけるようなボケ味を実現する事が出来るというのが本レンズのすごいところ。
ピントは面で合焦しますので、その前後にボケが広がるわけですが、レンズの特性やそのボケとなる前景や背景によっては
二線ボケというあまり見栄えの良くないボケになってしまう事があります。
また、玉ボケが発生した場合にそのボケの輪郭がハッキリしてボケが騒がしくなってしまったりする事もあります。
特に枝葉が入り組んでいる前景、背景は綺麗にボケさせる事が難しいように感じますが、STFならばこの通り。
また、最短撮影距離57cmとクオーターマクロに相当する撮影倍率0.25倍までの接写に対応しています。
近接撮影でも描写が乱れる事がないのはGMasterシリーズならでは。
なお、本レンズでは先に紹介した「アポダイゼーションフィルタ」というフィルターの効果により、絞り開放でありながら2段程絞り込まれたような光量となっています。
そのためF2.8が開放となりますが、実際の透過光量を示す「T値」も記載がありそちらは絞り開放の状態でもT5.6となります。
この暗くなってしまう要素については避けることが出来ないため、ある程度シャッタースピードを稼ぎつつ撮影をしようとした場合、必然的にISO感度を上げざるを得ません。
そのため今回はα7SIIIとセットで使用をしていますが、静物の撮影であればレンズ側の手振れ補正を頼り、シャッタースピードを下げる事でISOの上昇を防ぐ事が出来ます。
2023年現在で言えば、様々なメーカーから似たようなレンズがリリースされていますが、特殊な光学系をしている関係で以前はオートフォーカス化が困難と言われていたレンズです。
このレンズの前身とも言えるMINOLTAが作った135mm F2.8[T4.5] STF(後にソニーブランドに切り替わる)はマニュアルフォーカス専用レンズでしたが、
本レンズではもちろんオートフォーカス化を果たしています。比較的ゆっくりと動く被写体ではあるため本領は発揮してないかと思いますが、AFはキチンと追従してくれました。
ピント面の立ち上がりはもちろんの事、前景となる植物が綺麗にボケている事で被写体との距離感の演出が違和感なく出来たと感じる一枚です。
重なる落ち葉にスポットライトの様に木漏れ日がアクセントを加えてくれます。
ボケの連続性も見てみたかったのでやや斜めから狙ってピントを置いていますが、一般的なレンズのボケを見慣れていると逆に不自然に感じてしまうほど本当になだらかにゆったりとボケていきます。
苔むした木の裾に侘び寂びを感じてしまい思わず一枚。フォーカスした部分はキリっと立ち上がり、その前後は美しくデフォーカスしていく。
撮影者にとってはある意味イメージ通りというか当たり前であって欲しい事ではあるのですが、現実は二律背反した要素で撮影者はレンズの特性を加味して、
構図を変えてみたり絞りを動かしたりする事で折衷案を見つけ出し、どこか構図に妥協している事があるのではないでしょうか。
そんな2つの要素を高次元でまとめ上げているFE 100mm F2.8 STF GM OSSは、ある意味撮影者に自由な構図をもたらす1本なのかもしれません。
今回はこの辺りで。